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子宮頸がんワクチン後症状に苦しむ人支えたい...日医が診療手引き

 2015年08月21日 06:00

 子宮頸(けい)がんを防ぐ一方、接種後に全身の痛みが出るなどの報告が相次いでいる子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルス=HPV=ワクチン)。ワクチンとの因果関係がはっきりしないものの、国は積極的な接種の呼びかけを中止している。こうした中、日本医師会と下部組織の日本医学会は、子宮頸がんワクチン接種後の症状に苦しむ人を支えるべく、診療の手引きを作成した。日医常任理事の小森貴氏は、全ての医療従事者が読んで患者の適切な治療に活用するのはもちろん、「全ての国民が目を通して」と呼びかけている。

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 子宮頸がんワクチンの有害事象(ワクチンとの因果関係がはっきりしないものも含めた副作用=副反応=)については、原因の特定と同時に、現在苦しんでいる患者をケアすることが求められている。そのためには、医師が接種後の症状を適切に診断し、治療することが不可欠。今回の診療手引きは、その一助となるものだ。

 内容は、広くさまざまな意見を参照し、言葉を選び、議論を重ねて作成したという。第1章で(1)基本的な診療姿勢、(2)面接・問診のポイント、(3)診察のポイント、(4)検査、(5)診断、(6)鑑別診断、(7)治療のポイント―などを紹介。第2章は「協力医療機関等との連携」、第3章は「日常生活の支援と、学校(職場)、家庭との連携」を記述し、参考資料なども掲載した。19ページながら、充実の内容だ。

 小森常任理事は「現在、子宮頸がんワクチン接種後の症状に苦しんでいる患者をしっかり支え、寄り添っていくというのがわれわれ医療機関の務め」とした上で、診療手引きは医師向けながら、「全ての医療従事者、関係者、全ての国民に目を通してもらいたい」と述べている。

 冊子は数に限りがあるため、日医公式サイトでは一般の人でも見られるよう、診療手引きを公開している。また、日医発行の刊行物が閲読できる電子書籍サービス「日本医師会e-Library」でも一般公開中だ(要会員登録)。

(あなたの健康百科編集部)

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