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カスピ海ヨーグルトがアトピーの原因を抑制か―大阪府立大ほか

 2015年09月02日 10:30

 独特の強い粘りがあるカスピ海ヨーグルトだが、フジッコと大阪府立大学大学院は共同で、この粘りの成分がアトピー性皮膚炎の炎症に関わる物質を抑えることを、動物実験で明らかにした。カスピ海ヨーグルトを食べることで炎症を抑えたり、免疫を高めるたりすることが期待されるという。

ステロイド薬と同じ作用

 カスピ海ヨーグルトは、黒海とカスピ海に囲まれた東欧コーカサス地方の、100歳を超える長寿の人が元気に暮らすジョージア(旧名グルジア)から、京都大学名誉教授の家森幸男氏(武庫川女子大学国際健康開発研究所所長)が持ち帰ったもの。フジッコはこの中から優良株としてクレモリス菌FC株を分離して、この菌を使った製品の開発を行っている。

 カスピ海ヨーグルトの粘りは同株がつくるEPS(菌体外多糖)と呼ばれるものであり、同社は昨年、EPSに皮膚の炎症を抑える働きがあることを明らかにしている。

 今回の実験では、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の北村進一教授と同社が共同で、耳にアトピー性皮膚炎を発症させたマウスにEPSを与えたときの効果やメカニズムを調べた。

 その結果、EPSを与えたマウスは、炎症が起きた耳の腫れが抑えられたことが分かった。また、皮膚炎を起こさせたマウスはアレルギーの炎症に関わる物質(TNF-α、IL-6、IFN-γ、IL-4)が増加していたが、EPSは炎症を抑える効果があるステロイド薬(プレドニゾロン)と同じように、これらの物質の発現を抑える作用があったという。

 今回の結果について同社は、EPSやEPSを含むヨーグルトを食べることで、炎症を抑えたり、免疫を強める効果が期待されるとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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