不妊症の定義、2年から1年に―産科婦人科学会
2015年09月10日 06:00
日本産科婦人科学会は9月2日、公式サイトで、不妊の定義を従来の「2年間」から「1年間」に変更するとの見解を発表した。女性の晩婚化や、海外の学会の動向などを踏まえた上での変更で、女性がより早く不妊治療を受けることにつながるよう期待している。
月経不順などある場合は不妊期間を問わず受診を
同学会が発表した新しい不妊症の定義は以下の通り。
不妊(症)、infertility(sterility)
生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である。なお、妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない
(日本産科婦人科学会公式サイト、太字下線部は同学会によるもの)
同学会は、海外の学会など関連団体が不妊症の定義を「1年の不妊期間」としていることから、国内で一般的とされていた「2年間」を変更することが適当との結論に達したと説明。「女性の晩婚化やキャリア形成指向、その他の理由により女性の妊娠する年齢が上昇する中、不妊(症)の定義の変更により女性がより早期に適切な不妊治療を受けることにつながると期待される」と述べている。
日本生殖医学会もこの定義変更を受け、一般向けQ&Aを改訂した。Q&Aでは女性が月経不順や無月経期間が長く排卵がうまくいっていない場合、子宮内膜症や子宮筋腫があり月経がつらい場合などは、不妊症の可能性が高いこと、女性の妊娠可能年齢は限られていると指摘。病気や不安な要素がある場合、一定期間妊娠しないことを条件とせず、早めに産婦人科医を受診するよう呼びかけている。
(あなたの健康百科編集部)