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痛くなる前に飲む、頭痛予防薬が「ガッテン」で紹介

 2015年10月20日 10:30

 頭痛がいつまでも治らず、ついに薬を飲んでも効かなくなってしまった―。そんな頭痛に長年悩まされてきた人たちが、その痛みからスッキリ解放された方法があるという。10月14日放送のNHK「ためしてガッテン」で紹介された、その全く新しい治療法とは、頭が"痛くなる前に"飲むという予防薬。通常、市販の頭痛薬は、頭が"痛くなってから"飲むのだが...? このほか、専門医が勧める頭痛予防法も紹介された。

頭痛をもとから断つ「予防薬」

 「人類の歴史、それは頭痛との戦いの歴史でもあった」といっても過言ではないくらい、苦しんでいる人が多い頭痛。番組ゲストのビビる大木さんも、片頭痛で仕事を休んだことがあるという。

 人類は頭痛に勝つため、紀元前のエジプト人は頭にワニの置物を載せ、中世の欧州人は頭にドリルで穴を開け(!)、日本人はこめかみに梅干しを貼るなどしてきた。時代は21世紀を迎え、ついに近代科学は頭痛薬を作り出した。1899年にはアスピリン、2000年にはトリプタンという片頭痛の特効薬を。そして2015年、ついに登場した画期的な新治療法とは...頭が"痛くなる前に"飲むという予防薬だ。

 番組では、最新の頭痛治療ガイドライン(指針)の作成委員長である、埼玉医科大学医学部の荒木信夫教授(神経内科・脳卒中内科)に話を聞いた。片頭痛の予防薬(処方箋薬)を、頭が痛くなくても毎日飲み続けることで、頻回な頭痛がだんだん治まる。頭痛のメカニズムの解明が進み、大本を断つ治療が注目されている。ただし、効果が現れるまで時間がかかり、2カ月くらい飲み続けなければならない。ある程度、回復したら服用をやめてもよいという。なお、市販されている頭痛薬(トリプタン含む)は痛くなってから服用する。

どんな人が服用すべき?

 頭痛の予防薬が勧められる人とは、「かなり強い痛みが月2回以上」「日常生活に支障を来している」「アロディニア」。アロディニアとは、片頭痛が重くなると出て来るサイン。「帽子をかぶる」「髪をほどくなど、髪が動く」「化粧をする」など、普段だったら感じないはずの刺激を痛みとして感じてしまう症状のことだ。

 それほど症状が重くなく、痛みがそんなにひどくない人、例えば「頭痛の回数が月に1回」「1回でも軽い」「鎮痛薬やトリプタンで良くなる」などの場合は、あまり心配しなくてよいという。

 「雪だるま式に悪くなる危険もあるので、予防薬という治療法があることを知っておいて欲しい」と荒木教授。病院で、処方してもらいたいときは、「頭痛専門外来」「神経内科」「脳外科」の先生が詳しいとのこと(予防薬は人によって効果の弱い場合もあり、服用の際は医師の指示に従ってください)。

頭痛体操、鍼、頭痛日記もオススメ

 また番組では予防薬以外に、専門医が勧める頭痛予防法が紹介された。その一つが「頭痛体操」だ。日本頭痛学会前理事長の埼玉精神神経センター埼玉国際頭痛センターの坂井文彦センター長が、自宅でもできる頭痛予防法として考案した。荒木教授は「この体操で、緊張型頭痛の人はほとんどが良くなり、偏頭痛の人もずいぶん予防ができる」とコメント。なお、片頭痛の人は頭痛があるときに行ってはいけないという。

◆頭痛体操 その1
・両肘を水平に上げる
・足を少し開く
・顔は正面を向いたまま
・体を左右に回す
(運動時間は2分間を目安に)
◆頭痛体操 その2
・リュックサックを背負うように腕を前に回す
・服を脱ぐように腕を後ろに回す
(6回行う)

 このほか、鍼(はり)治療も効果的のようだ。埼玉医科大学医学部の山口智講師(東洋医学科)は「かなり難治性(治りにくい)の片頭痛に対し、鍼治療で頭痛発作の予防が可能なことが分かっている」とコメントしている。

 最後に紹介された予防法が「頭痛ダイアリー(日記)」。荒木教授によると、片頭痛の場合は、人それぞれ誘因(頭痛を引き起こす原因)がある。頭痛ダイアリーをつけることで誘因が分かり、その誘因を避けることで頭痛の日数を減らすことが可能になるという。誘因は、暑さ、人混み、チョコレート、ワイン、チーズ、強い光などさまざま。頭痛ダイアリーは、日本頭痛学会の公式サイトからダウンロードすることができる(関連記事:女性に多い片頭痛、症状軽減に「ダイアリー」つけて)。

(木村朱里)

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