即日判定が可能! HIV検査をアラサ―女性記者が受けてみた
2015年10月30日 19:30
「HIV検査を受けませんか?」と誘われたので、「受ける受けるー!!」と二つ返事で引き受けてしまいました。自分がHIVに感染しているなんて全く思っていないので、今後、自発的に行くこともなければ、ヤダよーなんて断る理由もないし。30代女性として、念のために行ってみてもいいかなー、みたいな気持ちで受けることになったわけなのです。エイズに対しての私の印象はというと、昔ながらの"不治の病っぽい感じ"や"同性愛者の有名人の死因"みたいなふわっとしたイメージは相変わらず残っていますが、とはいえHIVに感染してもエイズが発症するまではキャリアー(保因者)なだけで、適切な治療を受ければ寛解する例が報告されていることや、子供も持てるということなども、今では恐ろしいばかりの病ではないことも知っています。
性感染症に特化したクリニックで検査
検査場所に指定されたのは「新宿クリニック」。東京・JR新宿駅東口から徒歩3分という好立地で、靖国通り沿いのビルの9階というアクセスの良さ。こちらのクリニックは性感染症(STD)検査に特化しているみたいで、HIVのほかにも、クラミジアや淋菌、カンジダなどの十数種の検査が受けられます。
さらに、生活習慣病(貧血検査、肝機能検査、糖尿病検査など)などの検査もできるようです。女性向け検査セットや男性向け検査セットなど、いくつかの感染症をまとめて受けられるセットなんかもありました。
全ての診療が保険適用外ということもあり、匿名での申告もできるようで検査結果はインターネットでの閲覧も可能だそうです。
通常検査2,580円、迅速検査3,090円
私が行ったのは、平日午後の受付が始まる2時半の10分前。もうすでに5、6人が並んでおり、その多くが女性でした。
扉が開くと、まず受付へ案内されました。HIV検査をしたい旨を伝えると、「HIV抗原抗体検査」(2,580円)か「HIV抗体迅速検査」(3,090円)を選ぶことに。前者は結果が出るまで3日~4日ほどかかるけれども、後者は即日分かるということなので、迅速検査を選択。大きな番号札と、必要事項を記入する用紙をもらいました。
ちなみに、全国の保健所や自治体の施設では、原則無料でHIV検査を受けることができます。日時がかなり限られているのが難点ですが、匿名で受けられるほか、迅速検査を選べるところもあるんですよ。気になる方は、厚生労働省研究班による「HIV検査相談マップ」で最寄りの施設をチェックしてみてください。
さて、匿名での検査も可能ということですが、太枠に名前や生年月日、住所を書く欄があったので、匿名希望の人はどうするのかな、と思いつつも、本名や本当の生年月日、本当の住所をきちんと記入して提出しました。
お気楽状態から一転、じわじわと不安に...
クリニックの雰囲気は白を基調としていて、普通のクリニックと変わらない印象です。雑誌もモード系からおいしいラーメン屋特集まで幅広くそろっているのですが、やはり「性感染症の検査」をしに来ているということからか、緊張した空間のように感じました。
15分ほどで番号が呼ばれ、検査室へ入ります。待っている間に、自分は感染なんか絶対してないと思っていたのに、何となく不安な気分が高まってきて、「カレシの元カノの元カレを知っていますか?(昔やってたCMの一節)」「知りません!」といった自問自答を始めたり、ずいぶん昔にしなくていいことしたなあ、みたいな自己反省を始めたりと、すっかり気持ちが暗くなりました。
エイズ検査で後ろめたい気持ちになるのは、陽性だったら死と隣合わせになる、ということよりも、セックスのロシアンルーレットに当たってたら嫌だな、っていうことのような気がしました。
採血から20分で判定
検査室では何を聞かれるのかなあとドキドキしていましたが「危険な行為から3ヵ月立たないと、正確な結果は出ませんが大丈夫でしょうか」ということのみ伝えられました。
注射器半分ほどの採血で検査は終了。20分程度で結果が出るので、待合室で待機します。
そわそわと落ち着かない気持ちで待っていると、自分の番号を呼ばれ、受付の人が二つ折りのカードを私の目の前に掲げて「こちらです」と、パカっと開いて結果を見せてきました。
「あっ、ああ......どうもどうも、ああ、そうですか......」と、変な返事をして、検査料金を払って帰宅しました。
とりあえず、陰性! ということで、待合室中のもやもやした気持ちは消えました。でも、「みなさんも機会があったらぜひ受けてみてくださいね!」と、やみくもにオススメしたいような気持ちにはなりませんでした。
もちろん、なにか心当たりや不安なことがあったら受けた方が良いのは間違いないですよ。
(文・写真/うさぎ野ロッコ)