インフル対策、湿度40%以上に―東京都が呼びかけ
2016年01月19日 06:00
今季はおとなしかったインフルエンザウイルスだが、1月4~10日で1医療機関当たりの患者数が2.02人となり、国立感染症研究所は流行期入りを発表した。これを受けて東京都は、今後の本格的な流行に向け、インフルエンザにかからない、感染を広げないための対策を心がけるよう呼びかけ。手洗い・うがい、マスク・咳(せき)エチケット、予防接種のほか、湿度(40%以上)も重要としている。
東京全体では1施設1.7人だが2.9人の区も
インフルエンザの流行は、全国約5,000カ所の指定医療機関から、直近の1週間に報告された1施設当たりの件数(定点当たり報告数)が1.0人を超えることが目安とされている。今季は2015年内にこれを超えることがなく、年明けに流行期入りするのは9年ぶりとなった。
1月4~10日の定点当たり報告数は、沖縄県が最も多く8.19人、それに秋田県(7.85人)、新潟県(5.73人)、北海道(4.84人)、千葉県(2.49人)が続いた。ただし、警報レベルを超えているのは北海道のみとなっている。東京都は1.7人だったものの、中野区(2.90人)、中央区(2.60人)、江東区(2.43人)、荒川区(2.29人)、大田区(2.26人)などで高い値だった。
ウイルスの型は、全国的にはA香港型(A/H3N2)、2009年に「新型インフルエンザ」として流行したH1N1型(A/H1N1pdm09)、B型がほぼ同じ割合だが、東京都ではA香港型が6割を占めている。
休養やバランスの取れた食事も大切
インフルエンザの感染経路は、飛沫(ひまつ=せきやくしゃみなどによって飛び散る体液の粒子)による感染(飛沫感染)と、ウイルスが付いた手で口や鼻に触れることによる感染(接触感染)がある。
感染すると約1~3日の潜伏期間の後に、発熱、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛、咳、鼻水などの症状があらわれる。多くの人は1週間程度で回復するが、一般的な風邪に比べて全身症状が強く、高齢者や心疾患など基礎疾患のある人は、肺炎を伴うなど重症化することがある。
東京都はインフルエンザ対策として、以下の5点などが有効としている。感染を広げないためのインフルエンザ対策を、一人一人が心がけたい。
- こまめな手洗い
- 十分な休養、バランスの取れた食事や水分補給
- マスクなどで咳エチケット
- 室内の適度な加湿(概ね湿度40%以上)と換気
- 予防接種(かかりつけ医と相談)
(あなたの健康百科編集部)