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ぐっすり眠れない人は脳卒中になりやすい? 米国人を調査

 2016年02月01日 06:00

 カナダ・トロント大学医学部のアンドリュー・リム助教らは、死亡した高齢者315人の生前の睡眠データと死後、解剖した脳の状態を調べたところ、睡眠中に目が覚める回数が多い高齢者では動脈硬化が進んでいたと、1月14日発行の米医学誌「ストローク」(電子版)に報告した。こうした高齢者では、「皮質」と呼ばれる神経細胞の薄い層の下に血管の詰まり(梗塞)がある割合も高く、脳卒中を発症しやすい状態になっていたという。

参加者の死後に脳を解剖

 リム助教らは、米ラッシュ大学が行っている「記憶と加齢プロジェクト」への参加に同意した高齢者のうち、睡眠と覚醒のパターンを評価する検査(アクチグラフ)を1回以上受けたことのある315人を対象に、睡眠中に目覚める回数と脳の状態について調べた。参加者の死亡年齢は平均90.4歳、70%が女性だった。

 参加者の死後に解剖して脳の状態を分析した結果、目覚める回数が多いほど脳の動脈硬化の程度が強く、肉眼で確認できる皮質の下で梗塞している血管の数も多かった。

 リム助教らは「高齢者の睡眠を観察することで、脳卒中を発症しやすいかどうかが分かる可能性がある」と説明。ただ、目覚める回数と脳の血管が異常を来すことの因果関係は不明で、何度も目覚めてしまうのには睡眠時無呼吸など他の原因が関与している可能性もあることから、今後さらなる研究が必要だとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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