100万人に1人の難病「脂肪萎縮症」の情報サイト開設
2016年02月12日 10:30
塩野義製薬は1月29日、脂肪萎縮症に関する情報サイト「脂肪萎縮症を知る」を開設した。脂肪萎縮症は、体の脂肪がなくなる難病(指定難病)。国内での罹患(りかん)率は100万人に1人程度とされ、極めてまれなことから、社会での認知度は低いとされている。同社は、情報サイトを通じて患者や家族、医療関係者や一般の人たちに脂肪萎縮症の理解を深めてもらいとしている。
未治療なら平均寿命30~40歳
脂肪萎縮症は、脂肪組織が少なくなったりほとんどなくなったりする病気。全身に起こる「全身性」、両脚など部分的に起こる「部分性」、限られた狭い範囲のみで起こる「限局性」に分類される。糖尿病や脂質異常症、脂肪肝などになりやすく、適切な治療を受けていない場合の平均寿命は30~40歳とされている。
原因は遺伝子の異常(先天性)、免疫の異常や薬の副作用(後天性)があり、多くは子供の頃(乳幼児~小児期)に発症、国内の患者数はおよそ100人と推定されている。こうして非常にまれな病気なため認知度が低く、治療につながる十分な情報を得られていない患者や家族が多いのが現状だという。
原因不明の痩せや皮膚のくぼみに注意
同サイトは、脂肪萎縮症に詳しい専門家が監修。症状や治療法に関する最新情報が網羅され、医療費助成制度などの情報にもアクセスできる。
なお、脂肪萎縮症は以下のような原因不明の痩せと糖尿病などの合併症がある場合に疑われるという。
- 全身または部分的に痩せており、痩せを引き起こす原因が思い当たらない
- 食欲は増していることが多い
- 部分的に痩せて、残りは肥満
- 手足が極端に細いのに、体幹部(首や背中、おなかなどの胴体部分)は太っている
- 皮膚に原因不明のくぼみ(皮下脂肪の減少あるいは欠落)がある
(あなたの健康百科編集部)