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糖尿病や高血圧ある人の避難生活、何に気を付けるべき?

 2016年04月22日 06:00

 熊本地震で避難生活を余儀なくされている人の中には、糖尿病や高血圧といった持病がある人も多い。普段飲んでいる薬が入手できなかったり、飲み水や食べ物が不十分なことに加え、睡眠不足やストレスが原因で血糖や血圧のコントロールが悪化する可能性がある。こうした中、専門学会や団体が糖尿病や高血圧がある患者の避難生活における注意点をまとめた情報を公式サイトで発信している。その一部を紹介する。

「低血糖」に注意

 日本糖尿病協会は、被災地の糖尿病患者に気を付けてもらいたい情報として、「災害時ハンドブック―災害を無事に乗り切るために―」「インスリンが必要な糖尿病患者さんのための災害時サポートマニュアル」「糖尿病予防及び管理のための栄養と運動」「避難生活Q&A」「被災地での運動」「被災地での栄養管理」「インスリン製剤一覧」などを公式サイトにまとめている。

 このうち「避難生活Q&A」には食事や薬、睡眠や服装などで気を付けるべき点がまとめられている。ここで特に強調されているのが、低血糖リスクだ。血糖降下剤を使用している人が避難所で軽作業をする場合には、普段に比べて食事量が少ないため低血糖になりやすく、注意が必要だという。このことから、低血糖に備えて臨時の食べ物や飲み物があるかどうかを確認しておくようアドバイスしている。また、長い距離を歩いたり、ハードな作業をしたりするのも避けた方がよいとしている。

 なお、いつも飲んでいる薬がない、あるいは足りない人は、高血糖になる可能性があるため、できるだけ水分を取るよう勧めている。この他、飲んでいる薬の種類ごとに注意すべき点などもまとめられている。

薬なく血圧高い場合は減塩と運動

 一方、日本高血圧学会も4月18日から公式サイトで、被災地の高血圧患者向けQ&A を公表している。以下にその一部を紹介する。

「いつもの薬を飲んでも血圧が下がらない」
―精神状態や環境の変化などで血圧は下がってしまいます。しかし、一時的な血圧の上昇であればあまり心配ありません。寒さで血圧が上がっている場合は下半身を中心に体を温めてください。睡眠不足や不安感などでも血圧は上がります。非常に難しいとは思いますが、適度な睡眠とリラックスを心がけてください。適度な運動も効果的です。それでも血圧(上の収縮期の値)で 150mmHg 以上が続く場合には、最寄りの医療関係者にご相談ください。

「薬が少ないので、1日おきに飲んでもいいでしょうか」
―薬の効き目は、24時間程度でなくなるものがほとんどです。1日おきにすることは勧められません。

「夫婦など高血圧で治療中の他の方から薬をいただいて飲んでもいいのでしょうか」
―同じ名前の薬であれば大丈夫です。ただし、1錠の用量が違うことがありますので、用量 (mg)も確認してください。薬の名前や用量がわからない場合、最寄りの医療関係者にご相談ください。お二人のうちどちらか一方に大きな合併症(腎臓病・心臓病・脳卒中・喘息など)がある場合には、お互いの薬を飲まない方が安全です。

「薬がありません。血圧も高いです。どうすればいいのでしょうか」
―食塩摂取量を減らすことが最も重要です。適度に全身運動をすることを心がけてください。環境は厳しいでしょうが寒さ対策と睡眠の確保も重要です。重い物を持ち上げるような、きばる形の動作はできるだけ避けてください。

日本心臓病学会は被災地の心臓病患者からメール相談受け付け

 この他、日本心臓病学会では心臓病がある被災者やその家族からの相談を公式サイトの緊急掲示板で受け付け中。「性別」「年齢」「相談内容」をメールすれば、医師のアドバイスが受けられる。

(あなたの健康百科編集部)

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