「とびひ」「みずいぼ」「シラミ」...プールNGはどれ?
2016年05月27日 06:00
そろそろ学校や保育園、幼稚園などで水泳指導やプール遊びが始まる季節。プール開きの日を心待ちにしている子供も多いだろう。一方で、子供がとびひやアタマジラミなどを抱え、「プールに入れても良いのだろうか」と悩んでいる保護者もいるのではないだろうか。そんな保護者や保育園、幼稚園、学校の先生に向けて、日本皮膚科学会などの3学会が5月19日、「とびひ」「みずいぼ」「アタマジラミ」「疥癬(かいせん)」の4つの皮膚の病気について、プールに入っても良いのかどうかに関する「統一見解」を発表した。このうち「治るまでプールに入ってはいけない」とされるのは1つだけ。あなたはどれか、わかるだろうか?
プールOKでもタオルや浮き輪、ビート板の共用はNGのものも
発表されたのは、日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会の3学会による「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」。ここでは、子供によく見られる「伝染性膿痂疹(とびひ)」「伝染性軟属腫(みずいぼ)」「頭虱(あたまじらみ)」「疥癬」の4つの皮膚の病気について、プールに入っても良いのかどうかに関する3学会の見解が示されている。
それによると、これら4つの病気のうち、治るまでプールに入ってはいけないものは「とびひ」とされている。かきむしったところから出る浸出液や水疱の中身から次々にうつるとびひだが、プールの水を介して感染することはないと考えられているという。ただ、患部を触ることで症状が悪化したり、肌を触れあうことで他の子供にうつす恐れがあるため、「プール遊びや水泳は治るまで禁止」との見解が示されている。
では、他の3つはプールに入っても大丈夫なのだろうか。まず、みずいぼについては「プールの水を介してうつることはないので、入っても構わない」とされている。ただし、「タオルや浮き輪、ビート板などを介してうつることがあるため、これらを共用することはできるだけ避ける」「プールの後はシャワーで肌をきれいに洗う」ことなどが推奨されている。
アタマジラミについても、「治療を始めればプールに入っても構わない」とされているが、「タオル、ヘアブラシ、水泳帽などの貸し借りはやめておくべき」との助言も。疥癬も「プールの水ではうつることがないため、治療を始めればプールに入ってもOK」されている。ただし、「ごくまれに衣類、寝床、タオルなどを介してうつることがある」とあり、注意が必要だ。さらに、感染力の強い「角化型疥癬」の場合には通常の疥癬と比べて感染力が極めて強いため、外出自体を控える必要があるとの説明が記されている。
なお、3学会はこの統一見解の発表と同時に、その根拠についての解説書も公表している。
(あなたの健康百科編集部)