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見えるって不思議!世代を超えて目の大切さ学ぶ

 2016年08月10日 14:00

 小学校の眼科検診でC、D判定になっちゃった! という子供たち、最近目の健康が心配になってきたおじいちゃんやおばあちゃん。目のことが気になってくると、目はなぜ見えるのだろう? と、改めて不思議に思う人も少なくないのでは? そんな疑問についてしっかり学べる、小学生とその祖父母を対象にした夏休み自由研究向け教室『「見たい!知りたい!目のかがく教室」~おじいちゃん、おばあちゃんと目のふしぎについて学ぼう~』(主催=バイエル薬品)が8月1日、大阪市内で開催された。東京女子医科大学の飯田知弘教授(眼科)が講師を務め、25人の小学生とその祖父母が参加。世代を超えて、見たいものが見える大切さを再確認する機会となった。

「見えるって不思議!見えないと困る」を学ぶ

 1時間目のテーマは「目のふしぎ」。目はどうして見えるのか。飯田教授は、ものが見える仕組みをフィルムカメラに例え、「角膜と水晶体がレンズ、目の奥にある網膜がフィルムの役割を果たしていて、さらに網膜を通した情報が脳に伝わることでものが見える」と説明。「この仕組みのどこかに不具合があると見えないし、脳に伝わって初めて見えるんだよ」と話すと、見えるって目だけの働きじゃないんだ、なんだか不思議...という空気が、教室内を漂う。

 続いて自分の利き目をチェック。右目が利き目の参加者が圧倒的に多かった。飯田教授は「例えば、カメラのファインダーを覗き込むときには無意識のうちに利き目を使っているんだよ」と説明すると、「なるほど」と納得した様子の子供もいた。

 また、動物の目は種類によって見え方が全く違うことをクイズ形式で学ぶコーナーも。興味津々の子供たちからは、「カモノハシはどんな見え方?(哺乳類なのに卵を産むなど鳥類や爬虫類にも近い)」といった、飯田教授がたじろぐほどの質問が上がった。

ずっと見続けるために...目の病気を知ろう、目を守ろう

 2時間目のテーマは「視力をまもろう」。近視、遠視、乱視、老視といった見えにくくなる病気について学び、視力を矯正するための凸レンズや凹レンズを通した見え方を実際に体験した。

 飯田教授は、知っておきたい目の病気として、視野が欠けてだんだん狭くなっていく「緑内障」、見るもの全体がかすんだりぼやけたりしてしまう「白内障」、そして網膜の中心にあり、ものを見る上で最も重要な黄斑(おうはん)がダメージを受けて見たいものが見えにくくなる「加齢黄斑変性」について解説。加齢黄斑変性は年を取るとかかりやすくなる病気で、視力に障害を負う病気として大きな問題になっているという。加齢黄斑変性かどうかを確認するには、方眼紙のような図を片目で見て、ゆがんで見える部分や見えないマスがないかどうかをチェックする「アムスラーチャート」が用いられている。飯田教授は、このチャートで定期的にチェックすることが大切だと訴えた。

 続いて、実際に9年前、加齢黄斑変性を発症した患者さんが体験談を語り、「片目の中心が見えないため、両目で見ることで視力を補っているものの、距離感がつかみづらい。そのため、マジックペンのふたができなかったり、縦書きの文字がだんだん曲がってしまったり、コップにお茶を入れる時にこぼしてしまうこともあった」と振り返った。「今は自分なりに工夫しているから困ることはない」と言うが、「この病気について知らなかったらなかなか気付けない。普段から片目ずつ見え方をチェックし、早く見つけてほしい」と参加者に呼びかけた。

 一方、飯田教授が視力を守るために気を付けるべきこととして挙げたのは、「長時間ゲームの画面を見ない」「たばこを吸わない」「太陽を見ない」「緑黄色野菜や青魚を積極的に食べる」こと。最後に、これらの注意事項を心に刻んだ会場の子供たちへ、飯田教授から修了証が授与された。

 参加者に感想を聞くと、「とても面白かった。目は本当に大切だとよく分かった。目が悪くなってきたので気を付けようと思っているけれど、ついついゲームをしたり、長時間本を読んだりしてしまっていた。これからは30分おきに目を休めるなど、目を大事にしたい」(10歳・男児)、「長らく視力は良かったけれど、老眼が進んで今は老眼鏡。アムスラーチャートで片目ずつ見え方をチェックしたのは初めて。見え方に問題はなかったので良かった。より積極的に目の病気を予防する方法について詳しく知りたい」(67歳・男性)、「参加を孫が楽しみにしていた。視力が低下してきた孫のことが気になっていたけれど、普段、あまり目のことを考える機会がなかったので参加してよかった」(67歳・女性)と語ってくれた。

(長谷川愛子)

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