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あなたの骨は大丈夫?

 2017年10月17日 06:00

 骨粗鬆症は、骨がもろくスカスカになり骨折しやすくなる病気だ。世界でもトップクラスの長寿国である日本では、その予防と治療が喫緊の課題だ。毎年10月20日は、世界骨粗鬆症デー(World Osteoporosis Day;WOD)。日本で骨粗鬆症に関する正しい情報の普及と啓発に努める骨粗鬆症財団は、10月20日の「世界骨粗鬆症デー」に先駆け、先ごろ東京都内でセミナーを開催。全国の都道府県別の骨折率データが発表されるなど、骨粗鬆症対策の普及に向け機運が高まっている。

骨折の発生率は西高東低

 開会の挨拶に立った骨粗鬆症財団の太田博明理事は、世界骨粗鬆症デーで展開されるキャンペーンの概要を紹介した。ポスターやリーフレットの配布、動画の配信などで、この病気の正しい理解を浸透させたいとの意向だ。また、金沢城や松本城などランドマークでのブルーライトアップも予定しているという。太田理事は「骨粗鬆症は、生活の質(QOL)や生活する上で不可欠な基本的な日常動作(ADL)に深く影響する。治療と予防に努めなければならない」と述べた。

 続いて、大阪医科大学衛生学・公衆衛生学教室の玉置淳子教授が登壇。骨粗鬆症診療の実態を把握することを目的に実施した調査の結果を報告した。

 2015年の大腿骨骨折の年間患者数は、男性3万2,000人、女性12万人。骨折発生率を年齢層別に見ると、75歳以上でそのリスクが高まり、75歳以上の占める割合が男性で76%、女性で87%だった(2015年)。

 都道府県別の骨折発生率を、年齢による偏りを調整して男女別に算出したところ、男女とも西高東低の傾向が見られた。すなわち、骨折の発生率は西日本で高く、東日本で低かったという。

若年層でも増えるビタミンD不足

 帝京大学ちば総合医療センター第三内科学講座の岡崎亮教授は、骨粗鬆症との関連が深いビタミンD不足の日本における現状を解説した。

 ビタミンDが不足すると、転倒や骨折のリスクが高まるほか、骨粗鬆症薬が効きづらくなる。日本では、ビタミンDの摂取目安量が1日当たり220単位(5.5μg)と設定されているが、岡崎教授はそれが十分と言えるか疑問視する。

 なぜなら、日本人の10代の若者を対象にビタミンDの欠乏具合を調べたところ、1日の摂取目安量をはるかに上回るビタミンDを摂取していても、約半数はビタミンDの充足度を表す血清25水酸化ビタミンD濃度が低かったなど、複数の研究結果が報告されているからだという。岡崎教授は、ビタミンDを豊富に含む食品を食べる、日光浴をするなどの対応策を挙げるとともに、専門家による栄養摂取基準の検討が今後の課題との考えを示した。

(あなたの健康百科編集部)

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