もはや都民の2人に1人、増え続ける花粉症患者
2018年01月17日 06:00
東京都の花粉症患者実態調査
そろそろ本格的に花粉が飛び始め、花粉症患者にとって憂鬱な季節がやってくる。昨年12月21日、東京都で開かれたNPO花粉情報協会主催のスギ・ヒノキ花粉飛散予測セミナーでは、花粉症患者の人数に関する調査結果が報告された。実に東京都民のおよそ2人に1人が花粉症に苦しむと推測され、その割合は10年前の調査結果から大幅に増加したという。
子どもや高齢者で目立つ増加
結果を報告した東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講師の浅香大也氏らは2016年11~12月、あきるの市、調布市、大田区の東京都内3市区に住む3,600人にアンケート用紙を送り、2,116人から有効回答を得たという。
花粉症かどうかは、有効回答を得られた人に耳鼻咽喉科医が検診を行って判断した。検診は、アンケートで「花粉症の症状がない」と回答した人も含めて行い、スギ花粉によるアレルギー反応がはっきりと見られた上で、検診当日に症状が確認されたか、アレルギーに対する薬を服用していた場合とした。
その結果、47~49%の人が花粉症であった。そのため、全体ではその割合が48.8%と推測された(図)。この割合は、10年前の調査では28.2%であったことを考えると、大幅な上昇といえる。
また、年齢別に花粉症にかかった人の割合を見ると、0~14歳が約40%、60歳以上が約37%だった。この割合も、10年前はそれぞれ約26%、約14%であり、目立って上昇している。
以上のように報告した浅香氏は、「耳鼻咽喉科医や花粉症治療薬のメーカーをはじめとした医療関係者は、花粉症に関する情報を求める都民の声に、より積極的に応えていく必要がある」と述べた。
毎年花粉症に悩まされている人は、花粉に関する情報を早め早めに入手し、対策を立てたいところだ。
図. 都内におけるスギ花粉症の推定有病率の推移
〔東京都福祉保健局「花粉症患者実態調査報告書(平成28年度)」を基に編集部作成〕
(あなたの健康百科編集部)