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「お祈り」による落ち着きで睡眠が改善?

 2018年07月04日 06:00

 不眠、過眠、睡眠時無呼吸症候群など、現代人の多くが何らかの睡眠障害に悩まされているという。そのため、精神科や心療内科では様々な種類の睡眠導入剤が処方されているが、治療には生活習慣の改善などによる不安感やストレスの除去も欠かせない。このほどJournal of the National Sleep Foundationに発表された論文によると、お祈りなどの宗教上の慣習がもたらす精神的安定が、睡眠の質に影響を及ぼす可能性があることが分かったという。

ストレスの低減と社会参加の促進に寄与

 この研究を行ったのは、テキサス大学サンアントニオ校(UTSA)のChristopher Ellison氏と、アリゾナ大学のTerrence D.Hill氏ら。Ellison氏は2011年にも、人々の宗教への関わりと睡眠の関係を検討した研究を発表している。

 研究グループは、異なる年齢層と異なる宗教の人々を対象として宗教的関与の度合いと睡眠の関係を検討した複数の大規模研究について、レビューを実施した。宗教的関与とは、具体的には宗教的儀礼への出席やお祈りの頻度などを指している。

 レビューの結果、研究グループは、宗教的関与の度合いが高いほど健康的な睡眠が得られると結論付けた。Ellison氏は、「この調査によって私たちは、宗教とスピリチュアリティが人々の健康とQOL(生活の質)にどのような影響を与えているかを理解することができる」とコメント。ストレスの低減、社会参加の促進、希望や楽観主義といったポジティブな心理、より健康的なライフスタイルの促進といった点において、宗教への関わりは精神衛生に寄与するとの見通しを示している。

 なお、Ellison氏らは今年(2018年)8月にフィラデルフィアで行われる宗教社会学協会(ASR)の会合において、同研究の続報として、全米の成人男性を対象に実施した大規模調査の結果を発表する予定だ。

(あなたの健康百科編集部)

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