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朝食抜きは脂質異常症のリスクに

 2018年10月01日 06:00

 朝ごはんはしっかり食べましょう―子どものころから何度も言われているし、健康のために食べた方がいいのは分かっているが、朝食より睡眠やダイエットを優先しているという人も少なくないのでは。このたび、韓国のグループが、朝食を摂る習慣のない人は、特に男性で脂質異常症の発症リスクが高くなるとの研究結果を発表した。詳細は、8月21日の医学誌「European Journal of Clinical Nutrition」(オンライン版)に掲載されている。

朝食を摂らない男性は、脂質異常症のリスクが1.42倍に

 脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が異常値を示す状態で、高血圧や糖尿病と並び心血管疾患の危険因子である。脂質異常症になっても症状はない。だからといって放置していると動脈硬化が進行していき、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気に至ってしまう。日本では脂質異常症が増加しているが、この研究を行った韓国でも、経済成長によって生活習慣が変化し、患者が増えているという。

 健康的な生活を送る上で朝食は大切だが、韓国では朝食を摂る人が減っている。そこで研究グループは、朝食を摂る頻度の低下が脂質異常症の発症にどのような影響を及ぼすかについて調査した。

 対象となったのは、2013~2016年に韓国で行われた健康栄養調査に参加した30歳以上の男女1万874人(男性4,858人、女性6,016人)。脂質異常症の診断には、血液検査による総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の測定値を用いた。

 その結果、男性1,663人(34.2%)、女性1,018人(16.9%)が脂質異常症と診断された。男性では、朝食を摂る頻度が低いと脂質異常症を発症しやすく、朝食を全く摂らない男性は、週に5~7回摂る男性に比べて、脂質異常症の発症リスクが1.42倍だった。

 男女とも、年齢とともに脂質異常症の発症リスクは高まった。とりわけ40、50歳代の男性、40歳代と60歳以上の女性では、朝食を食べる頻度が下がると、脂質異常症の発症リスクが明らかに上昇した。研究グループは「40、50歳代の男性は、自身の健康管理への意識が低く、朝食を重要視する人が少ないのではないか」とコメントしている。

 また、BMIが23以上25未満の男性、25以上の男性では、朝食を食べる頻度が下がると、脂質異常症の発症リスクが顕著に上昇した。一方、女性ではそうした傾向は見られなかった。

 研究グループは、分析に用いた韓国での健康栄養調査について「全国調査のため、全国民の健康状態を適切に反映している。また、問診と健康診断に加え栄養調査が含まれていることで、より幅広い視点での分析が可能となった」とコメントした。さらに、今回の研究については「関連研究や今後の研究の参考となる、価値の高い研究だ」と評価している。

(あなたの健康百科編集部)

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