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『食べながらの飲酒』で肝硬変リスクが低下

 2018年12月14日 06:00

 肝硬変はアルコールと密接に関連し、その発症リスクは飲酒量が増えるほど上昇することが知られている。一方で、飲酒のパターンによって肝硬変リスクが異なるかどうかは不明である。このほど、英国人女性を対象とした大規模調査から、食べながら飲酒することで肝硬変リスクは低下することが示された。また、休肝日をつくることも肝硬変リスクの低下に有用と考えられたという。詳細は医学誌「Lancet Public Health」(2018年11月21日オンライン版)に掲載されている。

食事と一緒に飲酒する女性では肝硬変リスクが30%低下

 調査を行ったのは、オックスフォード大学のRachel F Simpson氏らの研究グループ。乳がんに関する大規模研究・UK Million Women Studyに登録された50〜60歳代の女性130万人に対し、「1週間にどれくらいの量のアルコール飲料を飲むか」「食事と一緒に飲酒するか」「1週間に何日飲酒するか」という質問項目を含む健康調査票を2000〜03年頃にかけて郵送した。その後、参加者の死亡や入院などに関する情報を、国民保険サービスのデータから追跡した。

 なお、この調査では、アルコール飲料1杯はワインなら1杯、ラガービールであれば1/2パイント、スピリッツでは1杯*と定義した。

 参加女性を平均15年間追跡した結果、週1杯以上アルコール飲料を飲むと回答していた401,806人中、肝硬変のために1,518例が入院し、42例が死亡した。肝硬変の発症は飲酒量に伴って増加し、週15杯以上飲む人(純アルコール換算で平均220g/週)が肝硬変を発症するリスクは、週1〜2杯(同30g/週)の人の約3.5倍だった。

 また、週1杯以上アルコール飲料を飲む人のうち、約半数(203,564人)が通常は食事と一緒に飲むと回答した。食事と一緒に飲酒する人は、そうでない人に比べて、肝硬変を発症するリスクが30%低かった。

 週7杯以上アルコール飲料を飲むと回答した175,618人のうち、毎日欠かさず飲む人の肝硬変リスクは、毎日は飲まない人の1.6倍だった。さらに、毎日欠かさず飲み、かつ食事を伴わない人のリスクは、毎日は飲まない人の2.5倍となっていた。

「年配の女性において肝硬変リスクは飲酒量に応じて上昇するが、食事と一緒に飲んだり、休肝日をつくったりすることで、そのリスクを低下しうることが示された」と研究グループは述べている。

 

*編集部注:ワイン1杯はほぼ125mL、ラガービール1/2パイント(英パイント)は284mL、スピリッツ(ウイスキー、ブランデーなど)1杯は45mL

(あなたの健康百科編集部)

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