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スマホアプリで脳卒中リスクが軽減できる?

 2020年03月31日 06:00

 米・ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2月25日、同社の製薬部門である米・Janssen Pharmaceuticalと米・Appleが共同で、iPhoneとApple Watchのアプリが脳卒中のリスク軽減に役立つかどうかを検証するバーチャル臨床試験Heartline Studyを開始したと発表した。アプリによる心房細動の早期検出は、脳卒中の減少に寄与できるのだろうか。(関連記事「スマホで心房細動が分かる?」

65歳以上の米国在住者が対象

 心房細動は心房が不規則に震える不整脈の一種で、心拍が不規則になって動悸や息切れ、目まいといった症状が現れる。さらに、心房で発生した血栓(血の塊)が脳の動脈に流れ込み、血管が詰まって脳梗塞が起こることがあるため、注意が必要だ。しかし、心房細動の自覚症状には個人差があり診断が難しく、全世界で3,300万人以上に上ると推定される心房細動患者のうち、30%以上は脳卒中のような循環器疾患を発症するまで気付かないといわれる。

 そこで今回、Janssen PharmaceuticalとAppleは、多くの人が日常的に使っているiPhoneやApple Watchに注目。iPhoneの学習アプリ(Heartline Studyアプリ)やApple Watchの心電図アプリ、不整脈通知機能を用いることで心房細動がより早期に発見され、脳卒中(脳梗塞や脳出血など)のリスク軽減につながるかどうかを検証する臨床試験Heartline Studyを開始した。

 Heartline Studyの登録対象は、メディケア(米国の高齢者向け公的医療保険)に加入し、iPhone 6s以降のモデルを所有している65歳以上の米国在住者。iPhoneにダウンロードしたHeartline Studyアプリだけを使用するグループと、Heartline Studyアプリに加えてApplle Watchで心電図アプリと不整脈通知機能を使用するグループに分け、2年間にわたり毎週Heartline Studyアプリを介して調査項目に回答してもらう。両グループとも、臨床試験施設に直接出向く必要はないという。

 心房細動については、日本でも人工知能(AI)で解析した患者の生活習慣や心電図、遺伝子に関する情報にウエアラブルデバイスで収集した脈波などの情報を組み合わせることで、予測精度を向上する取り組みが計画されている。医療技術の進化により治療成績が向上した心房細動だが、最新のIoT技術の活用により、予防の面でも向上が期待される。

(あなたの健康百科編集部)

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