卵巣がんスクリーニングによる死亡リスク低下を示唆
20万人超が対象,過去最大規模の英RCT
2015年12月24日 16:44
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卵巣がんスクリーニングによる死亡リスクへの影響について検討した最大規模のランダム化比較試験(RCT),UKCTOCS※の成績がLancet(2015年12月17日オンライン版)で報告された。同試験では,英国の女性20万人超を,CA125測定と経腟超音波検査を組み合わせた集学的スクリーニングを行う群と,経腟超音波検査のみによるスクリーニングを行う群,スクリーニングを行わない群の3群にランダムに割り付け,最長で14年間追跡。その結果,スクリーニング非実施群に比べ集学的スクリーニング群では15%,経腟超音波検査群では11%,死亡リスクが低下した。ただし,これらのスクリーニング実施群と非実施群の間に有意差はなかった。スクリーニング開始前に未診断の卵巣がんがあった例を除外した解析では,集学的スクリーニングにより20%の有意なリスク低下が認められた。同試験を実施した英・University College LondonのIan J. Jacobs氏らはプレスリリースで「卵巣がんのスクリーニングによる死亡リスク低下を示した初のRCTのエビデンス」とコメント。また,「より長期にわたって追跡すれば,スクリーニングによる死亡リスクの低減を明確に示せるのではないか」との見方を示している。