SGLT2阻害薬が2型糖尿病の安静心拍数を減少
慶應義塾大学循環器内科准教授 佐野元昭
2017年09月04日 06:00
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〔編集部から〕SGLT2阻害薬の投与により2型糖尿病患者の安静時心拍数が低下するという研究結果を慶應義塾大学循環器内科准教授の佐野元昭氏らがまとめた(J Diabetes Investig 2017; in press)。安静時心拍数が高いことは死亡・心血管疾患リスクとなることから注目される研究結果だ。同氏に研究の詳細を解説してもらった。
2型糖尿病患者において、安静時心拍数が高いほど、死亡や心血管疾患の発症リスクが上昇することが知られている。新規血糖降下薬として承認されたSGLT2阻害薬は心拍数に影響を与えないとされてきた。しかし、治療前の安静時心拍数ごとにSGLT2阻害薬の心拍数に及ぼす影響が層別解析されたことはなかった。
食事療法と運動療法だけで管理されていた日本人の2型糖尿病患者(HbA1c 6.9~10.5%)を対象にして行われたルセオグリフロジンの第Ⅱ相、第Ⅲ相のプラセボ対照、ランダム化二重盲検群間比較試験の結果をプール解析して、治療前と治療12週後の心拍数の変化を検討した。