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65歳以上が過半数...高齢者搬送に備え、在宅医と救急医が連携〔読売新聞〕

 2018年01月09日 16:10
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 自宅で療養する高齢者の容体が悪化し、救急にかかるケースでは、在宅医と救急医の連携が求められる。茨城県日立市の星野進さん(84)は、のみ込む力が低下し、6月に救急医療も行う 小豆畑あずはた 病院(茨城県 那珂なか 市)に入院した。訪問診療を行う「いばらき診療所ひたち」の紹介だった。リハビリテーションを受け2か月で退院。引き継ぎを受けた在宅医のもとで、自宅での生活を再開できた。

患者側の安心

 救急搬送に占める高齢者の割合が高まっている。総務省消防庁によると、2015年の救急搬送約550万人のうち65歳以上は310万人。10年前の44%から57%と約1・3倍になった。

 救急を巡っては、家族が判断に迷うケースが少なくない。自宅で 看取みと ると決めていても救急車を呼んだことで、病院で意に沿わない延命治療を受けることも。逆に119番が遅れ、容体が重くなり自宅に戻れない患者もいるという。

 医療側も悩みを抱える。

 救急医が在宅医と連絡が取れず、服用薬など基本的な情報が少ない中で治療せざるをえない患者が出ている。在宅医側からは一部の救急病院に不満の声が上がる。入院が長くなりがちな高齢者の受け入れに難色を示す病院があるためだ。

 こうした課題に取り組もうと4月、在宅医療を行う診療所と救急を担う病院の医師が集まり、「日本在宅救急研究会」が発足した。

 中心となった小豆畑病院と、五つの診療所を運営する「いばらき会」は、在宅医療で連携。容体の急変時、家族は、いばらき会の医師に連絡。医師は患者の希望や病気などの情報を入院する同病院に伝える。退院前には、家族の同席のもと、双方の医師、看護師らが在宅医療の状況や必要な介護サービスについて話し合う。

 連携を始めた昨年1年間で、いばらき会が小豆畑病院に紹介した入院患者の約9割が自宅に戻ることができた。同病院院長の小豆畑丈夫さんは「双方の医師が話し合うことで『一つの病院』のように感じてもらい、患者や家族の安心につなげたい」と説明する。

 同病院を退院した星野さんは「自分でやれることは自分でやりたい」と話す。近くで暮らす次女(53)も「在宅医を通して、救急医に家族の気持ちが伝わっていると感じる」と信頼を寄せる。

カードで希望

 静岡市静岡医師会では、市消防局と連携し、在宅患者の急変に対応している。同医師会の約70の診療所などが協力する。

 あらかじめ医師が患者に望む緊急時の対応について聞き取っておく。自宅で看取りを希望する患者には「グリーンカード」、往診を希望する患者には「シルバーカード」を配布する。

 患者が急変した際、基本的に家族は在宅医に電話するが、休日や夜間で連絡が取れない場合、市消防局に電話してカードの種類などを伝える。消防は当番医に連絡し自宅に駆けつける仕組みだ。

 研究会の代表世話人で、日本医科大学病院高度救命救急センター長の横田裕行さんは「救急と医療機関の対応に加えて、緊急時を適切に見極められるよう家族への知識の普及も必要だ」としている。

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(2018年1月9日 読売新聞・安藤奈々)

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