「絶対に誰にも言わないで」
シップヘルスケアファーマシー東日本株式会社 川村 和美
2018年09月06日 06:00
9名の医師が参考になったと回答
患者さんの望みに応えるか、医師の指示に従うべきか...。"倫理的判断"に迷う場面においては、直感に頼らずそのケースをさまざまな側面から幅広く検討し、より望ましい決定をするというプロセスが重要になります。
次のケースに遭遇した場合、あなたならどう考えますか?
「絶対に誰にも言わないで」
私は、勤務5年目の病院薬剤師(29歳)です。
Dさん(72歳・女性)は、先週より、血糖コントロールとインスリン導入のため、糖尿病病棟に教育入院しています。理解力も治療に対する意欲もあり、私との面談を心待ちにしてくれているので、Dさんへの服薬指導には、私もやり甲斐を感じています。
ある日、服薬指導に訪れたとき、Dさんが「先生、ちょっと休憩していって」と、嬉しそうに床頭台の引き出しから栄養ドリンクを出して手渡してくれました。話を聞いてみると、Dさんは健康保持のために、栄養ドリンクを毎日欠かさず飲んでいるというではありませんか!!
「怒られたり止めなさいって言われたら嫌だから、先生にも看護師さんにもナイショ。絶対に誰にも言わないでくださいね」とお願いされてしまいました。
でも、栄養ドリンクは糖質が多いので、継続的に摂取しているという情報は糖尿病の治療上、放置できません。
あなたならどうしますか?
あなたは、何番を選択しましたか?あるいは、別の方法を考えたでしょうか。このケースを考える上で大切な、5つの視点から解説していきます。
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