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アビガン、国内Ⅲ相試験で有意差示す

企業治験、COVID-19の症状を早期に改善

2020年09月23日 15:20

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 富士フイルム富山化学は本日(9月23日)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を対象にしたファビピラビル(商品名アビガン)の国内第Ⅲ相試験の結果を速報。同薬の有効性が有意差をもって示されたと発表した。COVID-19の症状を早期に改善することが実証されたという。

陰性化までの期間、11.9日vs. 14.7日

 ファビピラビルは既に国内で抗インフルエンザ薬として承認されている。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はインフルエンザと同種のRNAウイルスであり、ファビピラビルの効果はSARS-CoV-2にも期待されることから、富士フイルム富山化学は今年(2020年)3月、適応拡大に向け国内第Ⅲ相試験を開始した。
 
 試験デザインはプラセボ対照単盲検ランダム化比較試験(RCT)で、対象は非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者。主要評価項目は、症状(体温、酸素飽和度、胸部画像)の軽快かつウイルス陰性化までの期間とされた。

 同社によると、解析対象156例における主要評価項目の中央値は、ファビピラビル投与群では11.9日とプラセボ投与群の14.7日に比べ有意に短縮していた〔調整後ハザード比(HR)1.593、95%CI 1.024~2.479、P=0.0136〕。安全性上の新たな懸念は認められなかった。

10月中にも適応拡大申請へ

 同社では試験結果の詳細な解析を進めており、「10月中にも製造販売承認事項一部承認申請を行う予定」としている。また、日本政府の備蓄要請や海外からの提供要請に応えるため、国内外の企業と連携しファビピラビルの増産を進めているという。

 COVID-19に対するファビピラビルの国内RCTは、藤田医科大学も別に実施している。7月に発表された最終結果によると、ウイルス累積消失率はファビピラビル投与群でHR 1.4と高い傾向を示したが、有意差には達しなかった(関連記事「アビガン国内RCTの最終結果発表」)。

平田直樹

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