胆管がんなどの原因遺伝子ELF3の新たな機能を解明
2020年12月09日 15:22
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国立がん研究センターは12月8日、大阪大学大学院ゲノム生物学講座がんゲノム情報学教授の谷内田真一氏および国立がん研究センター先端医療開発センターHPV関連がん予防・治療プロジェクトリーダーの清野透氏らの研究グループが、がん原因遺伝子であるELF3が、がんの転移や浸潤に関わる上皮間葉転換を制御すること、免疫細胞の機能を調節することを初めて明らかにし、Cancer Res(2020年12月8日オンライン版)に報告した。
正常な上皮組織の維持を担う転写因子であるELF3は、胆管がん・十二指腸乳頭部がんなどのがん原因遺伝子として知られていたが、どのようにしてがんの進展にかかわっているかはこれまで不明であった。今回研究グループは、ELF3の不活化変異により上皮間葉転換を来して浸潤・転移や生じやすくなり、また、免疫能が低下することを明らかにした。ELF3不活化変異や発現が低下したがんに対する新規薬剤の開発が期待される。