食品中のアクリルアミドと膵がん発症に相関認めず
2020年12月22日 17:45
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国立がん研究センターの社会と健康研究センター予防研究グループは12月21日、前向き多目的コホート研究JPHCの結果、食事中のアクリルアミド摂取は日本人の膵臓がんリスクと関連しなかったと発表した。研究の詳細はNutrients(2020; 12: 3584)に報告されている。
アクリルアミドは紙の強度を高める紙力増強剤や接着剤などの原材料として利用されている化学物質で、アスパラギンと還元糖を含む食品を120℃以上の高温条件下で加工・調理すると生成され、食品中にも含まれている。国際がん研究機関(IARC)は発がん性が強く疑われると指摘しているものの、食事由来のアクリルアミドと膵がんに関する疫学研究は、欧州では複数あるが結果は一致していない。また日本をはじめとするアジアからの報告はなく、よく分かっていなかった。食物由来のアクリルアミドの主な摂取源は、日本ではコーヒーや緑茶などの嗜好飲料類、菓子類、調理した野菜などであり、欧米諸国ではジャガイモを原料とした製品、小麦を原料とした製品などであり、摂取源も異なるという。