小児がん患者の実態を初調査、診療体験・療養生活の実態が明らかに
国立がん研究センター
2021年03月08日 16:02
5名の医師が参考になったと回答
国立がん研究センターは3月6日、小児がん患者に対して初めて実施された診療体験・療養生活の実態調査の結果を公式サイト上で公開した。
同調査は患者本人ではなく家族等による回答に基づく。診断・治療全般に関する総合的な評価結果は8.4点(0〜10点評価)と、成人調査の7.9点よりも高く、診療体験に関して、医療スタッフとの関係や情報の取得、専門的な医療の提供、希望通りの転院など、成人との共通項目については、全体的に成人より肯定的な回答が多い結果だった。80.6%が診断から治療までの期間が1カ月未満で、90.4%が専門的な医療を受けることができたと回答。セカンドオピニオンは19.2%が受けていた。
一方、治療のために87.5%が転校、休学、退学を余儀なくされていた。小学校、中学校は転校が81.1%、59.3%と最多だった。高等学校は休学が61.3%と最多で、退学も8.8%と多かった。また、患者のケアのために65.5%が家族のいずれかが仕事や働き方を変えたと回答。35.7%が休職・休業し、32.8%が退職・廃業したという。時短や時差出勤などの利用は18.8%だった。