コロナへのバリシチニブ、有意差示せず
標準治療への上乗せ効果を検証、第Ⅲ相試験で
2021年04月15日 05:05
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬候補とされるヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬バリシチニブについて、有効性などを検証した第Ⅲ相試験COV-BARRIERの結果を製造・販売元のイーライリリーが4月8日(米国時間)に発表した。COVID-19の入院患者を対象にステロイドや抗ウイルス薬レムデシビルなどを含む標準療法にバリシチニブ上乗せ効果を検証したところ、主要評価項目である高流量酸素投与または人工呼吸管理への移行、死亡について、プラセボ群との有意差は得られなかった。一方、全死亡率を38%低下させるなど死亡率に影響を及ぼす可能性が示された。同剤は関節リウマチの治療に用いられており、COVID-19に対する免疫抑制効果だけでなくウイルスの増殖抑制効果も期待されている。