抗PD-1/PD-L1抗体の治療効果をPETで予測
2021年06月22日 18:37
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量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門量子医科学研究所先進核医学基盤研究部の謝琳氏らは、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果をPET画像診断で予測する技術を開発、Journal for ImmunoTherapy of Cancer(2021年6月21日オンライン版)で報告した。
抗PD-1/PD-L1抗体の治療効果予測では腫瘍組織のPD-L1発現が用いられるが、検体の状態によりPD-L1発現の正確な測定ができないことや、治療によりPD-L1発現状態が変化している可能性がある。また、免疫は全身的な応答であることから、腫瘍組織以外の組織における抗PD-1/PD-L1抗体への免疫応答も重要と考えられる。
同氏らは免疫調節因子であるインドールアミン酸素添加酵素(IDO1)に結合するPET薬剤である11C-l-1MTrpを開発し、抗PD-1/PD-L1抗体治療に対するIDO1の免疫応答を可視化。悪性黒色腫モデルマウスのPET画像により、治療効果が高い群では腸間膜リンパ節に11C-l-1MTrpが著明に集積し、治療効果と相関することを明らかにした。