喘息要素の乏しいCOPDにも3剤配合剤が有用か
2021年07月12日 13:25
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アストラゼネカは7月9日、中等症~最重症COPD患者1,899例に対し、吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)の3剤配合剤ビレーズトリエアロスフィア(一般名ブデソニド・グリコピロニウム臭化物・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤、以下ビレーズトリ)の有効性および安全性を評価する第Ⅲ相多施設共同二重盲検並行群間24週持続投与ランダム化比較試験KRONOSのサブグループ解析の結果を発表。血中好酸球数300細胞/mm3未満かつ気道可逆性がない喘息要の乏しいサブグループ(948例)に対し、ビレーズトリ群は、ビベスピエアロスフィア(一般名グリコピロニウム臭化物・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤、以下ビべスピ)群と同程度の呼吸機能改善効果が認められた。また、ビレーズトリ群はビベスピ群よりも中程度または重度のCOPD増悪率を有意に抑制した。
肺炎を含む有害事象の頻度はKRONOS試験全体の集団とサブグループ解析集団で同程度であった。
これにより、喘息様特徴のないCOPD患者においても3剤配合剤が有用である可能性が示唆された。
今回のサブグループ解析は、第60回日本呼吸器学会(2020年9月20~22日、ウェブ開催)で発表され、このほどRespir Res(2021; 22: 187)に掲載された。