アルツハイマー病治療薬donanemab、Aβの減少と認知機能低下の遅延を示す新データを公表
第Ⅱ相試験TRAILBLAZER-ALZのアップデート
2021年08月11日 14:47
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イーライリリー・アンド・カンパニーは8月19日までに、N3pGと呼ばれる修飾型アミロイドベータ(Aβ)を標的とする抗体医薬donanemabについて、アルツハイマー型認知症患者を対象に同薬の有効性および安全性を検証する第Ⅱ相試験TRAILBLAZER-ALZの2つの新しい探索的解析データの結果を発表。同薬により、脳内のAβの減少と認知機能低下の遅延との関連を示すデータが得られたと報告した。
同試験では、早期症候性アルツハイマー病患者において投与24週時にAβの急速な減少をもたらすことが確認され、中でもベースライン時にプラークの沈着量が最も多かった患者で最も急速な消失が認められた。また、投与24週時にAβの完全消失が早期に達成された患者では、投与76週時点のflortaucipirによる陽電子放射断層撮影法(PET)検査で、アルツハイマー病進行の予測バイオマーカーであるタウが脳の前頭葉などで76週間にわたりプラセボに比べて有意に減少することが示された。
donanemabは、同社が今年の初めに公表、論文発表した同試験の結果に基づき、米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルー医薬品)指定を受けている。同社は迅速承認制度に基づき、今年後半に同薬の生物学的製剤承認申請(BLA)を行う予定という。