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ドクターズアイ 岩田健太郎(感染症) ドクターズアイ 岩田健太郎(感染症)

術後抗菌薬という禁じ手

神戸大学微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎

 2017年10月02日 06:15
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イメージ画像 (c)Getty Images ※画像はイメージです

研究の背景:悪名高き術後抗菌薬

 昔、日本の外科領域では術後に第三世代経口セフェム(セフカペン/フロモックスなど)を1週間程度投与する、という習慣が流行していた。術後感染の予防のためというのが理由であったが、その効果が臨床試験で実証されないまま現場で使われてきた。日本の医療においては、演繹法(抗菌薬を飲めば感染症は減るだろう)のみで、帰納法による実証なしにいきなり医療現場で実践してしまうことが多い。悪弊と言ってよい。

 現在、手術の後の感染予防は基本的に「術中」あるいは「術前」に行うのが基本で、術後抗菌薬はできるだけ使わない、が原則となっている。1990年代の研究で、術後の抗菌薬や前日からの抗菌薬が、創部感染(surgical site infection;SSI) を減らさないことが示されたからだ*1

*1Classen DC, Evans RS, Pestotnik SL, Horn SD, Menlove RL, Burke JP. The timing of prophylactic administration of antibiotics and the risk of surgical-wound infection. N Engl J Med 1992; 326: 281-286.

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