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接触感染予防の終わりの始まり?

神戸大学微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎

 2019年03月01日 04:55
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イメージ画像 © Getty Images ※画像はイメージです

研究の背景:環境に優しくない接触感染予防、有効か?

 本稿は、神戸で行われている日本環境感染学会(2月22~23日)参加中に、時間の合間をぬって書いている。

 環境感染、といっても、一般の方にはなんのことだか分からないだろうが、要するにザックリ言えば院内感染対策の学会だ。

 院内感染対策には、たくさんのリソースが求められる。モノそしてヒトが必要になる。例えば、接触感染予防。これは、薬剤耐性菌を持っている患者のケアをするとき、手指消毒などの標準予防策では薬剤耐性菌を伝播してしまう(かもしれない)ため、追加して行われる予防策だ。具体的にはガウンを着たり、手袋を着けたりして、物々しい格好になって患者をケアする。終わったら脱ぐ。患者を診るときにはまた同じことをする。

 よって、大量の脱ぎ捨てたガウンと手袋が発生する。これらは感染性廃棄物として処理されるが、その量たるや大変なものになる。環境感染学会は一番環境に優しくない、というブラックジョークはここから生まれる。

 薬剤耐性菌は世界的な大問題で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、基質拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生菌、カルバペネム耐性腸球菌(CRE)など、多種多様な耐性菌が発生、増加している。まるで、格闘技の団体のようなこうした略語の乱立は非専門家を当惑させるが、その対策たる接触感染予防策もかなり煩瑣なので不人気だ。不人気ではあるが、「感染対策には必要ですから、先生ちゃんとガウン、手袋お願いします」と眼光鋭いベテランナースに難詰されると、ぐうの音も出ない。いやいやながら、面倒くさい着脱を繰り返すこととなる。

 だが、問題は、だ。「こうした接触感染予防策、ちゃんと結果出しているの?」という点である。モノとヒト。多大なリソースを使い、コストをかけて対策を行っているのだから、ちゃんと耐性菌や感染症の減少に寄与していなければならないのだが、そこんとこのエビデンスはどうなってるの?

 というわけで、今回はそれに取っ組み合ったメタ解析を紹介する。

Marra AR, Edmond MB, Schweizer ML, Ryan GW, Diekema DJ. Discontinuing contact precautions for multidrug-resistant organisms: A systematic literature review and meta-analysis. American Journal of Infection Control. 2018 Mar ;46(3):333-340.

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