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第58回日本肺癌学会学術集会/第18回世界肺癌学会議レポート

肺がんCT 検診+禁煙介入は費用効果に優れる

 肺がん罹患リスクが高い喫煙者に対する低線量CT(LDCT)を用いたスクリーニングにより、肺がん死亡率と全死亡率が低下することが全米肺検診試験(National Lung Screening Trial;NLST)で明らかにされている。カナダ・McMaster UniversityのWilliam K. Evans氏は、シミュレーションプログラムを用いてLDCTスクリーニングと禁煙介入を統合したプログラムの質調整生存年(QALY)への効果を検討した。その結果、同プログラムは費用効果に優れたQALYの改善策となりうることが示された...

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第二世代EGFR阻害薬の国内市販後調査を発表

 現在、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬は、EGFR遺伝子変異陽性肺がんの初回標準治療薬として位置付けられている。第二世代EGFR阻害薬のアファチニブは、わが国では2014年に承認されたが、承認時に日本人患者の臨床データは限られていた。そこで、1,500例を目標として有効性と安全性を1年間追跡する市販後全例調査が実施された。和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科教授の山本信之氏らは、その結果を第18回世界肺癌学会議(WCLC 2017、10月15~18日、横浜)で報告。日本の実臨床においても...

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アレクチニブ、ALK陽性肺がんで4年PFS 52%

 ALK遺伝子転座陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアレクチニブの国内第Ⅰ/Ⅱ相試験AF-001JPの最終成績(長期追跡結果)を、がん研有明病院(東京都)呼吸器内科部長の西尾誠人氏が第18回世界肺癌会議(WCLC 2017、10月15~18日、横浜)で報告。4年無増悪生存(PFS)率が52%、全生存(OS)率が70%という良好な成績を紹介した。...

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オプジーボの「治療効果予測式」を考案

 抗PD-1抗体の治療効果予測については、PD-L1発現以外のバイオマーカーの開発が求められている。埼玉医科大学国際医療センター呼吸器内科の山口央氏、同科教授・診療部長の各務博氏らは、抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)が奏効する患者を治療前に同定する方法として、治療前末梢血中のCD62LlowCD4+T細胞と制御性T細胞(Treg)の割合に基づく予測式を考案したと第58回日本肺癌学会(10月14〜15日)で報告した。同演題は、同学会のプレナリーセッションの最優秀演題の1つに選ばれた。...

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加熱式たばこも危険!

 加熱式たばこは、「煙が出ない」「室内の空気を汚さない」「有害性が低い」ことを謳い文句にしているが、発がん性物質を含んでおり、また、受動喫煙に相当する二次曝露も発生する。産業医科大学 産業生態科学研究所健康開発科学研究室教授の大和浩氏は、第58回日本肺癌学会(10月14〜15日)で、加熱式たばこが有する危険性について報告した。...

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中皮腫の専門的緩和ケア、QOL改善効果なし

 主にアスベスト(石綿)への曝露により胸膜から発生する悪性胸膜中皮腫(MPM)は、極めて予後不良な希少がんの1つであり、診断後の生存期間中央値は1年に満たない(関連記事:「悪性胸膜中皮腫にニンテダニブが有望」)。また、胸膜中皮腫患者における痛みや呼吸困難などの出現頻度は肺がんよりも高いといわれている。症状負担(symptom burden)が高いMPMの治療では早期からの専門的緩和ケア(specialist palliative care;SPC)の有効性が期待されているが、これまでランダム化比較試験でSPCの有効性を検討した報告はなかった。オーストラリア・Institute for Respiratory...

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なぜ高い?北海道の肺がん死亡率

 面積が広大な北海道では、がん対策においても特有の課題が存在する。国立病院機構北海道がんセンター呼吸器内科内科系診療部長の大泉聡史氏は、全国ワースト1位である北海道の肺がん死亡率に関する現況やその原因について第58回日本肺癌学会(10月14〜15日)で解説。「さまざまな指標を活用した原因特定と二次医療圏ごとのがん対策が必要である」と述べた。...

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キイトルーダ、化学療法の2倍超のOS達成

 現在、わが国の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療においては、PD-L1強陽性〔Tumor Proportion Score(TPS)が50%以上〕例に対しては、初回治療で免疫チェックポイント阻害薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)単独投与が可能となった(関連記事:「【解説】がん免疫療法が肺がん一次治療へ」)。同適応承認の基となった国際共同第Ⅲ相非盲検ランダム化比較試験KEYNOTE-024の長期成績(追跡期間2年)について、米・Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie R. Brahmer氏らが第18回世界肺癌学会議...

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アファチニブ→オシメルチニブで奏効率81%

 9月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2017)で報告された第Ⅲ相国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験FLAURAの成績から、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する一次治療における新たな標準治療薬として、第三世代のEGFR阻害薬(EGFR-TKI)であるオシメルチニブの可能性が示された(関連記事1:「EGFR変異陽性肺がんにパラダイムシフトか」)。一方で、一次治療には第二世代EGFR-TKIを用いて、T790M耐性変異が認められた後にオシメルチニブを用いるという治療シークエンスの有効性についても報告されている...

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次世代ALK阻害薬lorlatinibが肺がんに有望

 脳転移例を含むALK/ROS1陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、ALK/ROS1チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)lorlatinibの有効性・安全性を検証した国際多施設共同第Ⅱ相試験の結果から、前治療歴の有無にかかわらず頭蓋内腫瘍縮小効果を含む臨床的有益性が示されたことを、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのBen J. Solomon氏らが第18回世界肺癌学会議(WCLC 2017、10月15~18日、横浜)で報告した...

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DurvalumabでQOLを維持したままPFSを延長

 化学放射線療法後に進行が認められなかったⅢ期の局所進行・非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象として、PD-L1に対する新規ヒトモノクローナル抗体である免疫チェックポイント阻害薬durvalumabの維持療法としての有効性・安全性を検証したPACIFIC試験の中間解析において、無増悪生存期間(PFS)の延長効果が認められた。この結果は、今年(2017年)9月に開催された欧州臨床腫瘍学会議(ESMO 2017)およびN Engl J Med(2017年9月8日オンライン版)で発表された(関連記事:「抗PD-L1抗体が肺がん維持療法でも予後改善」)。第18回世界肺癌会議(WCLC 2017、10月15~18日、横浜)のプレナリー...

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免疫CP阻害薬の診断薬、「疑問」を解説

 肺がんに対する免疫チェックポイント(CP)阻害薬として、現在わが国では抗PD(programmed cell death)-1モノクローナル抗体のニボルマブとペムブロリズマブが承認されている。その効果を予測する上で、免疫組織染色(IHC)における腫瘍組織でのPD-L1の発現が有用なマーカーとなることが確認されている。両薬に対しては、PD-L1の発現率を測定するための免疫染色キット(体外診断薬)が開発されており、ニボルマブにはIHC 28-8、ペムブロリズマブにはIHC 22C3が用いられる。しかし、これらのキットは用いる検査用抗体が異なり、カットオフ値も異なる。愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断...

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世界肺癌会議、横浜にて開幕

 世界肺癌学会(IASLC)が主催する第18回世界肺癌学会議(18th World Conference on Lung Cancer;WCLC 2017、10月15~18日)が、昨日(10月15日)開幕した。"著しく予後不良"とされてきた肺がんに対する治療は、近年急速な進歩を遂げている。IASLCは、肺がんおよびその他の胸部悪性腫瘍に特化する世界最大の学会で...

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