「クロザピン恐怖症」を乗り越えるために クロザピンは、治療抵抗性統合失調症(TRS)に対する適応を持つ唯一の薬剤であるにもかかわらず、使用率は依然として低い。その背景として、副作用への過剰な恐怖心、いわゆる「clozaphobia(クロザピン恐怖症)」の存在が指摘されている。実践的知識の共有と組織的な体制整備によりクロザピン治療の普及に取り組む山梨県立北病院医療部長の三澤史斉氏が、その内容について第122回日本精神神経学会(6月18〜20日)で報告した。・・・ うつ病に潜む全般不安症、ベンラファキシンへの期待 全般不安症(GAD)は慢性的かつ過剰な不安を特徴とする精神疾患だが、日本では長らく適切な診断および治療の機会が限られていた。そうした中、今年(2026年)3月にセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)ベンラファキシンが国内初のGAD治療薬として適応を取得した。高仁会戸田病院(埼玉県)院長の大坪天平氏は、各国のGADガイドラインの要点や同薬の国内第Ⅲ相試験の成績について第122回日本精神神経学会(6月18〜20日)で解説。「新薬の登場は、これまで見過ごされてきたGADを独立した疾患として診断する契機となりうる」と述べ、早期介入への期待を示した。・・・ VR+スマホでうつ病治療が変わる! うつ病治療において、初期の薬物治療で寛解に至らない症例は67%と少なくない。また、専門人材や診療時間の不足から、日本における認知行動療法(CBT)の実施率は6.2%と依然として低い。株式会社BiPSEE代表取締役/高知大学「医療×VR」学講座特任教授の松村雅代氏は、仮想現実(VR)とスマートフォンを組み合わせたうつ病治療プログラム「VRデジタル療法」の開発状況と今後の社会実装に向けた展望を第122回日本精神神経学会(6月18~20日)で報告した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る