血液透析患者のPTH管理、下限値を撤廃 慢性腎臓病(CKD)患者では腎機能低下に伴いリンが蓄積し、ビタミンDの活性化障害と血清カルシウム(Ca)低下が生じることで、代償的に副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が亢進し、二次性副甲状腺機能亢進症を来す。そして腎機能がさらに低下すると、二次性副甲状腺機能亢進症が増悪し、骨折や心血管イベントのリスクが高まるとされている。一方、腎機能の低下に伴いPTHの抵抗性も認められ、PTH値が低くてもリスクとされている。こうした背景の下、日本透析医学会は昨年(2025年)12月、『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン(2025年改訂版)』(以下、新GL)を刊行した。神戸大学病院腎臓内科病院講師の後藤俊介氏は、新GLにおける血液透析患者のPTH管理について、第44回日本骨代謝学会(7月2~4日)で解説。下限値を撤廃するなどの変更点を挙げた。・・・ 低リン血症性くる病にブロスマブを「強く推奨」 X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)は、骨細胞における線維芽細胞増殖因子(FGF)23の過剰産生により、低リン血症と骨石灰化障害を来す遺伝性の小児慢性特定疾病・指定難病である。これまで日本にはXLHに特化した診療ガイドラインがなかったが、厚労科研難治性疾患政策研究班、日本内分泌学会、日本小児内分泌学会、日本骨代謝学会の共同作成による、待望の『X染色体連鎖性低リン血症性くる病・骨軟化症診療ガイドライン』(以下、XLH GL)が今年(2026年)1月に刊行された。大阪母子医療センター腎・代謝科主任部長でXLH GL作成委員会委員長の窪田拓生氏は、第44回日本骨代謝学会(7月2~4日)においてXLH GLを解説。小児・成人XLH患者への抗FGF23抗体ブロスマブ投与を「強い推奨」とするなど、治療のアップデートを報告した。・・・ CKDの骨・ミネラル代謝異常GL、管理はリン・Caを優先 昨年(2025年)、慢性腎臓病(CKD)ステージ3b以上のCKD 患者を対象とした『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン(2025年改訂版)』(以下、新GL)が刊行された。新GLでは、透析などを含むCKD 患者における血清リン・Ca・副甲状腺ホルモン(PTH)の管理目標値と治療方針が再整理された。これにより、CKDに合併する骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)を改善し、心血管イベント、骨折、死亡の抑制を目指す。今改訂では、管理の「厳格化」と「個別化」を軸足に展開されている。九州大学病院腎疾患治療部准教授の山田俊輔氏は、第44回日本骨代謝学会(7月2~4日)で「透析患者の治療戦略において、リン・Ca・PTHを同時に目標範囲内に導くことを基本としつつ、調整過程ではリンおよびCaを優先させる方針がより鮮明になった」と解説した。・・・ 2026年開催学会レポート一覧に戻る