高齢者消化器がんに対する診断と低侵襲治療の現状と課題 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 統合プログラム 1 (JDDW、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器がん検診学会) 10月31日(木) 9:00〜12:00 第6会場(ポートピアホテル南館 大輪田B) [司会] 比企 直樹 氏 北里大‧上部消化管外科 糸井 隆夫 氏 東京医大‧消化器内科 後藤田 卓志 氏 がん研有明病院‧上部消化管内科 [演者] 栗原 渉 氏 がん研有明病院・消化器内科 吉川 貴章 氏 北野病院・消化器センター消化器内科 平松 良浩 氏 浜松医大・周術期等生活機能支援学,浜松医大・2外科 竹内 菜緒 氏 NTT東日本関東病院・消化管内科 鷲尾 真理愛 氏 北里大・上部消化管外科 竹田 凌 氏 京都第一赤十字病院・消化器外科 吉水 祥一 氏 がん研有明病院・上部消化管内科 山本 健治郎 氏 東京医大病院・消化器内科 大浦 杏子 氏 香川大・消化器・神経内科 超高齢社会を迎えた現在、高齢者は右肩上がりに増加しており、がんに罹患する高齢者も増えている。高齢がん患者の増加に伴い、身体への負担が少ない低侵襲でQOLを保つことができる治療法の確立が求められている。司会者の1人である比企直樹氏は「本セッションでは、切除箇所を最小限にし高齢がん患者への負担軽減に応えられる術式の開発や工夫、治療成績といった新たな知見を披露していただく。会場の参加者とともにディスカッションを深めていきたい」と述べる。 高齢がん患者が術後の人生を幸せに過ごせるような治療選択肢を プログラムは全9演題で構成。まず、80歳以上の高齢者を対象とした3演題が発表される。栗原渉氏は、80歳以上の高齢者の食道扁平上皮がんに対する内視鏡的切除術(ER)の治療成績と予後予測因子について報告。ERは侵襲度が最も低い治療法の1つであり、大規模な手術を避けることでQOLを保つことができると考えられる。吉川貴章氏は、85歳以上の早期胃がんに対する胃内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)において栄養状態が及ぼす影響を多施設共同後ろ向きコホート研究で検討。栄養状態改善後のESD実施成績が披露されるなど、高齢がん患者の治療方針決定に寄与する内容に期待が高まる。なお、本演題は優秀演題賞に選出されている。平松良浩氏は、高齢者胃癌手術の治療戦略と題し、低侵襲手術(腹腔鏡/ロボット)および縮小手術(センチネル流域切除+胃局所切除術)の成績を紹介する。該当するリンパ節のみを切除するというセンチネル流域切除術の経験が豊富な施設からの報告である。 次に腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)に関する4演題が発表される。竹内菜緒氏は、高齢者に対するLECSの短期治療成績および胃ESD垂直断端陽性例に対する局所切除への応用について発表。鷲尾真理愛氏は、高齢者胃がんに対する緩和LECSの成績を報告する。これは世界初の前向き観察研究となっており、本セッションで詳細な結果が明らかとなる。続く2演題はともに十二指腸LECSに関する研究である。竹田凌氏は、早期十二指腸がん・消化管間質腫瘍(GIST)に対する十二指腸LECSの有用性と工夫について報告する。なお、本演題は優秀演題賞に選出されている。一方、吉水祥一氏は十二指腸LECSの手技について、当日動画で供覧する予定だ。 また、山本健治郎氏は高齢者の乳頭部腺腫に対する内視鏡的乳頭切除術の有用性を検討し、高齢者に対しても治療の選択肢となりうることを示している。最後に、大浦杏子氏は過去23年間における高齢者肝細胞がん患者に対する治療の成績および問題点について提示。高齢者に対しては栄養状態や全身状態を評価した上で治療に臨むことの重要性を訴えている。 比企氏は「高齢がん患者に対して定型的な手術を行うことは、術後のQOLを損なう可能性があり、逆に治療を全く行わなければ患者や家族の不安を煽ることになりかねない。しかし、局所的治療や低侵襲治療を用いることで、患者には術後の人生を幸せに過ごしていただける可能性が広がる。今後も増え続ける高齢がん患者に適した治療に関する新知見を集めた本セッションは、実臨床の参考となるであろう。多くの先生方の参加をお待ちしている」と呼びかけている。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×
統合プログラム 1 (JDDW、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器がん検診学会) 10月31日(木) 9:00〜12:00 第6会場(ポートピアホテル南館 大輪田B) [司会] 比企 直樹 氏 北里大‧上部消化管外科 糸井 隆夫 氏 東京医大‧消化器内科 後藤田 卓志 氏 がん研有明病院‧上部消化管内科 [演者] 栗原 渉 氏 がん研有明病院・消化器内科 吉川 貴章 氏 北野病院・消化器センター消化器内科 平松 良浩 氏 浜松医大・周術期等生活機能支援学,浜松医大・2外科 竹内 菜緒 氏 NTT東日本関東病院・消化管内科 鷲尾 真理愛 氏 北里大・上部消化管外科 竹田 凌 氏 京都第一赤十字病院・消化器外科 吉水 祥一 氏 がん研有明病院・上部消化管内科 山本 健治郎 氏 東京医大病院・消化器内科 大浦 杏子 氏 香川大・消化器・神経内科 超高齢社会を迎えた現在、高齢者は右肩上がりに増加しており、がんに罹患する高齢者も増えている。高齢がん患者の増加に伴い、身体への負担が少ない低侵襲でQOLを保つことができる治療法の確立が求められている。司会者の1人である比企直樹氏は「本セッションでは、切除箇所を最小限にし高齢がん患者への負担軽減に応えられる術式の開発や工夫、治療成績といった新たな知見を披露していただく。会場の参加者とともにディスカッションを深めていきたい」と述べる。 高齢がん患者が術後の人生を幸せに過ごせるような治療選択肢を プログラムは全9演題で構成。まず、80歳以上の高齢者を対象とした3演題が発表される。栗原渉氏は、80歳以上の高齢者の食道扁平上皮がんに対する内視鏡的切除術(ER)の治療成績と予後予測因子について報告。ERは侵襲度が最も低い治療法の1つであり、大規模な手術を避けることでQOLを保つことができると考えられる。吉川貴章氏は、85歳以上の早期胃がんに対する胃内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)において栄養状態が及ぼす影響を多施設共同後ろ向きコホート研究で検討。栄養状態改善後のESD実施成績が披露されるなど、高齢がん患者の治療方針決定に寄与する内容に期待が高まる。なお、本演題は優秀演題賞に選出されている。平松良浩氏は、高齢者胃癌手術の治療戦略と題し、低侵襲手術(腹腔鏡/ロボット)および縮小手術(センチネル流域切除+胃局所切除術)の成績を紹介する。該当するリンパ節のみを切除するというセンチネル流域切除術の経験が豊富な施設からの報告である。 次に腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)に関する4演題が発表される。竹内菜緒氏は、高齢者に対するLECSの短期治療成績および胃ESD垂直断端陽性例に対する局所切除への応用について発表。鷲尾真理愛氏は、高齢者胃がんに対する緩和LECSの成績を報告する。これは世界初の前向き観察研究となっており、本セッションで詳細な結果が明らかとなる。続く2演題はともに十二指腸LECSに関する研究である。竹田凌氏は、早期十二指腸がん・消化管間質腫瘍(GIST)に対する十二指腸LECSの有用性と工夫について報告する。なお、本演題は優秀演題賞に選出されている。一方、吉水祥一氏は十二指腸LECSの手技について、当日動画で供覧する予定だ。 また、山本健治郎氏は高齢者の乳頭部腺腫に対する内視鏡的乳頭切除術の有用性を検討し、高齢者に対しても治療の選択肢となりうることを示している。最後に、大浦杏子氏は過去23年間における高齢者肝細胞がん患者に対する治療の成績および問題点について提示。高齢者に対しては栄養状態や全身状態を評価した上で治療に臨むことの重要性を訴えている。 比企氏は「高齢がん患者に対して定型的な手術を行うことは、術後のQOLを損なう可能性があり、逆に治療を全く行わなければ患者や家族の不安を煽ることになりかねない。しかし、局所的治療や低侵襲治療を用いることで、患者には術後の人生を幸せに過ごしていただける可能性が広がる。今後も増え続ける高齢がん患者に適した治療に関する新知見を集めた本セッションは、実臨床の参考となるであろう。多くの先生方の参加をお待ちしている」と呼びかけている。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科