実証された「寝る大人は痩せる」

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:睡眠と代謝性疾患との関連示す観察研究は多い

 昔から「寝る子は育つ」とよく言われ、このことはどうも医学的にも確かそうである〔倫理的なこともありランダム化比較試験(RCT)があるとは思わないが、成長ホルモンの分泌に関与しているらしい〕。

 一方で、大人においては「寝ない大人は太りやすい」とか「寝ない大人は糖尿病になりやすい」といったことを示す疫学的データは多数あり、以前にもそうしたデータをご紹介したことがある(関連記事「寝てる場合,いや,起きてる場合じゃない?!」)。

 こうした背景から、米国では2015年に7~9時間の睡眠時間が推奨されているが(Sleep 2015; 38: 843-844)、実は睡眠不足の人の睡眠時間を延長させたら、代謝障害が改善されるかどうかを検証したRCTはなかったそうである。

 このたび、米・シカゴ大学のグループが睡眠時間を8.5時間にするよう指導するという介入を行うことにより、エネルギー摂取量が減少し、エネルギー消費量は維持され、結果としてわずか2週間で体重が0.48kg減少した(コントロール群とは0.87kgの差異がついた)ことを報告した(JAMA Intern Med 2022; 182: 365-374)。「寝る大人は痩せる」のである。自分自身の今後の体型維持のためにも重要と感じつつ、ご紹介したい。

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