〔Lancetセミナー〕腰痛 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする Lancet(2021 July 3; 398:78-92)に「腰痛、Low back pain」の総説(Seminar)がありました。積読(つんどく)になっていたので読んでみました。 結論から言うとがっかりの内容でした。 腰痛で原因がはっきりわかるのは椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、圧迫骨折くらいで、多くは非特異的腰痛であり確定診断できぬまま治癒していきます。 疼痛は従来の侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛に加えてなんと2017年から痛覚変調性疼痛(侵害受容器に異常がないのに痛みを感じるもの)が追加されました。「腰痛」は病名でなく症状にすぎません。腰痛はこれらのものが組み合わさったものだというのです。 セミナー「腰痛、Low back pain」の要点は下記の15です。 腰痛は症状であり、多くは原因不明のまま治癒し病理と症状の相関が少ない 「あなたの背骨は70歳代並み」など不用意な言動は痛みの連鎖起こす。Yellow flags一覧 疼痛3つ:侵害受容性(nociceptive)、神経障害性(neuropathic)、痛覚変調性(nociplastic) 脊髄後角で上行性疼痛伝導系と下行性抑制系(serotonin、NE)がシナプス、疼痛を抑制 サインバルタは後角のセロトニン、ノルエピネフリン増加させ上行系抑制。うつ(serotonin、NE↓)にも有効 ゲートコントロール理論:Aβ線維(触覚)を賦活させるとAδ、C線維(疼痛)は抑制される 椎間板ヘルニア疼痛は3カ月で87%減、2年内退縮、狭小化と腰痛は低関連、皮膚分節不一致 根痛は皮膚分節に一致、脱出髄核か>60歳代では脊柱管狭窄(絶対狭窄<10mm)多い 脊柱管狭窄は座位、前屈で軽快、椎間板ヘルニアと異なり前屈位のことが多い。SLR(-) 椎間関節は椎間板狭小化で荷重関節となり、変性し下肢放散。仙腸関節痛も下肢放散 診断は病歴と神経所見推奨、脊柱管狭窄は血管性否定、Red flagsは画像診断を 治療はベッド安静反対が多い。マッサージ、鍼、温熱、心理療法、ヨガ、太極拳などそれなりに有効 急性腰痛にNSAIDs、筋弛緩、サインバルタ。慢性腰痛にopioid不可、ガバペン効果不明 硬膜外ステロイドは椎間板ヘルニアの根性疼痛のみ適応、脊柱管狭窄、腰痛で効果低い ヘルニアで手術有効、1~2年後差はなし。脊柱管狭窄は除圧術を。固定術は推奨しない! 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×