AIは内視鏡医の感覚を可視化できるか? 潰瘍性大腸炎の内視鏡AIの研究から 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:内視鏡的重症度スコアと内視鏡医の感覚にズレ 潰瘍性大腸炎(UC)は大腸に直腸から連続的に口側へと進展する表層性の炎症を主体とする疾患である(Nat Rev Dis Primers 2020;6 : 74)。近年の内科治療の進歩により、治療の効果判定や長期予後改善においては症状の改善だけでは不十分であり、内視鏡的に改善、寛解を目指すことが重視されつつある(Gastroenterology 2021; 160: 1570-1583)。そのため、UC診療において下部消化管内視鏡検査が、確定診断だけでなく病状評価のモダリティとしてゴールドスタンダードであることに異論を唱える人は少ないのではなかろうか。 内視鏡医は検査開始時に、最も高頻度に炎症が存在するだけでなく最重症部位であることも多い直腸にスコープを挿入した瞬間から、目的部位(全大腸内視鏡検査であれば盲腸)に到達し再度肛門から抜去するまで、罹患範囲・分布と重症度を連続的に判定し総合的に病状を把握・評価する。しかし、内視鏡医による病状評価を客観的に表現することは容易でないため、臨床試験においては共通言語として重症度評価指標(=内視鏡的重症度スコア)が用いられる。最も一般的に用いられるのがMayo Endoscopic Subscore(MES)であるが(N Engl J Med 1987; 317: 1625-1629)、必ずしもパラレルに動くとは限らない潰瘍、出血、血管透見像などの多面的な所見を合わせて0~3点の4段階に分類することの難しさはもとより、最重症度についてのみを評価するシステムとなっているため、炎症の罹患範囲に幅のあるUCの重症度評価において、内視鏡医の感覚と大きなズレが生じることは少なくない。 今回は、人工知能(Artificial Intelligence;AI)を用いたUCの内視鏡的評価に関する論文を紹介する(Gastroenterology 2024; 166: 155-167.e2)。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×