寛解中のIBD、抗TNFα療法の中止は可能か? 継続と中止の影響を比較するEXIT試験より 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:抗TNFα療法の長期化で副作用、医療費の増大に懸念 抗TNFα療法は、炎症性腸疾患(IBD)の治療に目覚ましい進歩をもたらした。一方で、長期的な使用は感染症や悪性腫瘍のリスク上昇の懸念につながりうる。また、高価な生物学的製剤を長期使用する患者が増えることによる医療費の増大は、患者と社会の双方にとって大きな負担となるため、わが国においては特定疾患医療費助成制度の維持という観点からも、医療経済的視点は重要性を増している。 そうした背景から、長期にわたって持続的寛解状態にあるIBD患者において、抗TNFα療法の中止が可能かどうかを検討する試みが行われている。その1つとしてわれわれは、日本において潰瘍性大腸炎(UC)患者におけるインフリキシマブの休薬の是非を問う非盲検ランダム化比較試験(RCT)HAYABUSAを行い、休薬によって再燃が増加することを報告した(Lancet Gastroenterol Hepatol 2021; 6: 429-437、①)。同様にクローン病(CD)については、二重盲検RCTのSTOP-IT(NEJM Evid 2022; 1: EVIDoa2200061、②)と非盲検RCTのSPARE(Lancet Gastroenterol Hepatol 2023; 8: 215-227、③)で休薬による再燃の増加が報告され、さらにはこれらの研究のシステマチックレビューとメタ解析でも休薬群では約3割が1~2年で再燃することが報告された(Clin Gastroenterol Hepatol 2024; 22: 22-33.e6)。 本稿で紹介するEXIT試験は、IBD(UCおよびCD)患者を対象に、抗TNFα療法の継続と中止による影響を比較した研究であるが、両群ともに再燃率が低く有意な差がなかったという結果であったため、既報と比較して考察したい。(Gut 2024年12月20日オンライン版)。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×