市中肺炎にはどのβラクタムか

セフトリアキソン vs. アンピシリン

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研究の背景:主役はβラクタム

 市中肺炎(CAP)の治療は、通常βラクタム系薬が主役となり、それにマクロライド系薬を加えるかどうかが少し意見の分かれるところであろう(Am J Respir Crit Care Med 2019; 200: e45)。入院を要するCAPにおいて、βラクタム単独治療は、βラクタム+マクロライドの併用治療に非劣性であるという研究もあり(N Engl J Med 2015; 372: 1312-1323)、個人的には非定型肺炎を疑っているときにマクロライドを加えるプラクティスとしている。

 さて、本日議論するのは、βラクタムはどれがよいか、という問題である。医療サイトUpToDateを見てみると、①セフトリアキソン、②セフォタキシム、③ceftaroline、④ertapenem、⑤アンピシリン・スルバクタム―が並んでいる。個人的によく使用しているのは、①セフトリアキソンである。1日1回の点滴でよいというのは、看護師にとっても患者にとってもメリットがある。

 今回取り上げる研究では、セフトリアキソンとアンピシリンの治療成績が比較されている(Clin Microbiol Infect 2022年8月5日オンライン版)。

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