実用化近づく角膜内皮再生医療

 水疱性角膜症の治療では角膜内皮移植(DSAEK)、デスメ膜移植(DMEK)などで良好な成績が得られているものの、ドナー角膜不足、手技の煩雑さ、術後に角膜内皮細胞減少が見られるといった問題点が指摘されている。こうした課題の解決に期待されているのが、生体外で培養した細胞を用いた角膜内皮再生医療だ。同志社大学生命医科学部教授の小泉範子氏は第124回日本眼科学会(4月27日〜5月18日、ウェブ開催)で、2013年に開始された角膜内皮細胞注入治療に関する臨床研究の経過を報告するとともに、実用化に向けた今後の展望について講演した。(関連記事:「11例全例で有効性を確認―培養角膜内皮細胞移植」