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スタチンで静脈血栓塞栓症が減少―米研究

 2011年09月16日 11:18

 高コレステロール血症の治療薬であるスタチンが、動脈硬化症患者の静脈血栓塞栓症(VTE)発症を有意に減少させると,米アルバートアインシュタイン医科大学の研究グループが米医学誌「American Journal of Medicine」(2011; 124: 852-859)に発表した。

抗血小板療法と併用でさらにリスク低下

 同研究グループは,2005~10年に動脈硬化症で入院した患者1,795人を対象に,スタチンの使用によってVTEの発症が減少するかどうかを検討した。抗凝固療法※1を受けた患者は除外し、スタチンを使用していない患者と使用期間2カ月未満の患者をスタチン非使用群とした。

 最終解析の対象となった1,100人のVTE発症率は9.7%で,スタチン非使用群の22.2%(53/239例)と比べ使用群では6.3%(54/861例)と76%減少した。さまざまな要因を加味して解析しても71%減で,スタチンの使用はVTE発症リスクの低下と関係していた。

 標準用量(平均1日22.2ミリグラム)と比べ,高用量(同50.9ミリグラム)のスタチン使用はリスクの低下がより大きかった(それぞれ62%減、75%減)。アスピリンとクロピドグレルの併用による抗血小板療法※2ではVTEの発症リスクが81%減で,抗血小板療法とスタチンを併用した場合には84%減とリスクはさらに低下した。

Medical Tribune 2011年9月1日号 掲載

  • ※1抗凝固療法......ワルファリンなどの薬剤を使って血液が固まる働きを抑え、血の塊(血栓)ができないようにする治療法。抗血栓療法の1つ。
  • ※2抗血小板療法......アスピリンなどの薬剤で血小板の働きを抑え、血液が固まりにくくする治療法。抗血栓療法の1つ。

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