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第122回日本皮膚科学会

円形脱毛症に新薬リトレシチニブが有効

 円形脱毛症(AA)に対する新規治療薬の有効性と安全性が示された。杏林大学皮膚科学内講師の木下美咲氏は、AAに対するJAK3/TECファミリーキナーゼ阻害薬リトレシチニブに関し、最長36カ月にわたる長期安全性および有効性を評価する多施設共同第Ⅲ相非盲検試験(ALLEGRO-LT試験)の中間解析結果を第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告。12歳以上のAA患者における投与開始後24カ月経過時の有効性と安全性が示されたと発表した。...

新規薬剤による薬疹、その実像は?

 医学・創薬の進歩により、従来の免疫学では単純に理解し切れない薬疹が見られるようになった。山梨大学皮膚科学講座講師の小川陽一氏は第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で、①免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、②抗体薬物複合体エンホルツマブ ベドチン、③アンドロゲン受容体拮抗薬アパルタミド-により惹起される皮膚障害の特徴について、最近の知見を提示しながら解説。これまでアレルギー性反応と捉えられてきた薬疹の中に、非アレルギー性機序によるものが現れてきていることを指摘した。...

女性型脱毛症の最新知見を解説

 症状発現に男性ホルモンや遺伝が関連すると考えられる男性型脱毛症と異なり、女性のびまん性脱毛症(女性型脱毛症)の背景には男性型脱毛症に加えて休止期脱毛症や加齢変化などがあるため、これらを踏まえた治療やケアが求められる。順天堂大学順天堂東京江東高齢者医療センター院長補佐/皮膚科科長の植木理恵氏は、女性型脱毛症の最新知見および診断する上で注意すべき点について、第122回日本皮膚科学会(6月1日〜4日)で解説した。...

「薬剤リンパ球刺激試験」陽性の関連因子

 横浜市立大学皮膚科の川村飛翔氏らは、同科で原因薬剤を特定した薬疹患者を対象に薬剤リンパ球刺激試験(DLST)の陽性と関連する因子を後ろ向きに探索。重症度の高い臨床型や肝機能・腎機能障害がある薬疹患者では、DLST陽性率が高まる傾向があると、第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告した。...

薬疹は複数の検査で原因薬同定を

 京都府立医科大学皮膚科の石川朋武氏らは、同科で薬疹が疑われた症例に施行したパッチテスト、薬剤リンパ球刺激試験(DLST)、投与試験の結果を比較。「パッチテストとDLSTいずれか一方でのみ陽性になる症例が多いため、可能な限り3つの検査を組み合わせて施行した方が良い」と第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告した。...

日用品による接触皮膚炎、原因特定で防止

 装身具や衣類、楽器などの日用品は、材質や用途が多岐にわたり、さまざまな製品が接触皮膚炎を引き起こす可能性がある。京都府立医科大学大学院皮膚科学講師の峠岡理沙氏は第122回日本皮膚科学会(6月1〜4日)で、「接触皮膚炎の再発を防ぐには皮膚炎の治癒にとどまらず、また、原因製品を見つけるだけでは不十分で、原因物質を特定し、それが含まれる製品を回避することが重要だ」と述べ、日用品による接触皮膚炎の原因物質の特定について自身の経験を踏まえて概説した。...

褥瘡診療を新GLに基づき概説

 褥瘡は極めて複雑な病態を呈するため、治療には的確な評価と科学的根拠に基づくアプローチが必要となる。日本にはそのよりどころとなるガイドライン(GL)が2種存在する。日本褥瘡学会の『褥瘡予防・管理GL』と日本皮膚科学会の『創傷・褥瘡・熱傷GL』(『褥瘡診療ガイドライン』を含む6つのGLで構成)である。前者は医師だけでなく看護師や薬剤師などの褥瘡診療に関わる多職種を対象とし、予防とケアを重視したもの。一方、後者は皮膚科専門医と看護師を対象とし、治療に重点を置いたもので、今年度(2023年度)に第3版が策定、年度内の出版が予定されている。...

多汗症診療で意識すべき3つの心得

 多汗症診療が転換期を迎えている。今年(2023年)2月に『原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版』(以下、改訂版GL)が公開され、6月には日本初の原発性手掌多汗症治療薬としてオキシブチニンの外用製剤(商品名アポハイドローション20%)が発売された。認知度の向上に伴い、多汗症診療を行う皮膚科医や治療を受ける患者も増加傾向にある。池袋西口ふくろう皮膚科クリニック(東京都)院長で改訂版GL策定委員会副委員長を務めた藤本智子氏は第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で、多汗症を診療する上で意識しておくべき重要な3つの心得について講演し「制御不能だった発汗が制御できるようになると、患者の自信が高まり、医師も信頼を得ることができる」と強調した。...

魚アレルギー、原因抗原により臨床症状に違い

 島根大学病院皮膚科の越智康之氏らは、同科を受診した魚アレルギー患者を対象に原因抗原同定と臨床症状および予後について検討。その結果、「Cyp c 1検出群では全例に湿疹病変の既往があり、パルブアルブミンが原因の魚アレルギーでは経皮感作が成立している可能性が高い」「原因抗原により臨床症状に違いが見られる可能性がある」ことなどを第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告した。...

多汗症の疫学情報、他疾患との関連明らかに

 原発性局所多汗症(以下、多汗症)は幅広い年齢で発症し、精神的、身体的、社会的に大きな支障を与えてQOLを低下させるため、看過できない疾患であるが、詳細な疫学情報は明らかでない。そこで群馬大学病院皮膚科の小坂啓寿氏は、同科の外来を受診した患者1,000例を対象に多汗症の有病率や男女比、発症年齢、他の皮膚疾患との関連性などを探るアンケートを実施。その結果を第122回日本皮膚科学会(6月1~4日)で報告した。...

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