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畜産農家で育った人で血液がんリスク上昇

 2011年09月28日 16:14

 ニュージーランド・マッセイ大学公衆衛生研究センターのAndrea 't Mannetje氏らは、畜産農家で育った人は成人後に血液がんを発症するリスクが増加する可能性があると、英医学誌「Occupational and Environmental Medicine」(電子版)に発表した。

親が養鶏業従事者でリスク3倍

 農業の従事者で血液がんリスクが高いことは、これまでの研究でも示唆されていた。その主因は、殺虫剤への曝露(ばくろ)や家畜との接触による感染症と推測されている。しかし、Mannetje氏らによると、これらの研究の大半は成人が対象で、幼少期の要因に関する情報はほとんどないという。

 同氏らは今回、ニュージーランドで35~85歳で死亡した11万4,000人以上の死亡記録(1998~03年)を分析。記録の83%(9万4,054人)から、生前従事していた職業と、父母の職業に関する情報を抽出した。そのうち3,119人が血液がんによるもので、残り9万935人は他の死因だった。

 分析の結果、畜産農家で育った人では、それ以外の人に比べて白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫などの血液がんリスクが1.22倍になっていた。こうした関連は、親が養鶏業に従事していた場合で2.99倍と、特に強かった。これに対して、親が農業(耕種農業)に従事していた場合は血液がんリスクは約20%低かった。

自身が農業従事でリスク50%上昇

 一方、成人後に自身が耕種農業に従事していた場合、血液がんリスクは約50%上昇していた。これに対し、成人後に畜産業に従事していた人では20%低下。ただし、畜産業の中でも肉牛飼育に従事していた人では2.99倍だった。

 これらの結果は、影響を及ぼす可能性のある要素を考慮し、別のさまざまな死因と比較検討した後も変わらなかったという。

 Mannetje氏らは「こうした因果関係の存在に関しては、さらなる研究が必要」と慎重な姿勢を示した上で、「今回の研究から、小児期と成人後の農場での生活が、血液がん発症リスクに対してそれぞれ独立して影響している可能性が示めされた」と述べている。

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