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激痛走るぎっくり腰―2日ほどの安静で自然治癒

 2011年11月18日 15:07

 急に物を持ち上げたりしたときに腰に痛みが走り、激痛で寝返りも打てない―。ぎっくり腰(急性腰痛症)と呼ばれる症状だ。国立病院機構大阪南医療センターの米延策雄副院長(整形外科)は「2日ぐらい安静にしていれば自然に治ります。痛みが長引くようなら整形外科を受診してください」と呼び掛ける。

椎間板のひねりも

 ぎっくり腰の原因は、腰の筋肉や靱帯(じんたい)が傷ついたり、椎間板をひねったりしたためと考えられている。「腰の筋肉や靱帯に傷がつくのは、ちょうど自動車のタイヤが裂けるようなものです。椎間板をひねるのは、腰の捻挫(ねんざ)と考えてください。手首や足首の捻挫と同じことです」と米延副院長。

 腰を酷使したり、無理な姿勢で重い物を持ち上げたりして、腰の筋肉や筋が耐えられなくなって起こる。ただ、レントゲンで診断しても異常は見られない。

 ドイツ語ではぎっくり腰を「魔女の一撃」と呼ぶ。症状はだいたい2~3週間で治まるので、風呂で腰を温め、血液の循環を良くして筋肉を軟らかくする。痛みがひどい場合は湿布をしたり、さらしをコルセット代わりに使ったりして、弱っている腰の筋肉を保護することもある。

体操で腰を柔軟に

 ただし、それを過ぎても痛みが取れないなら要注意。「熱があるようなら細菌感染が疑われます。レントゲンや磁気共鳴画像診断装置(MRI)などによる診断で、がんや骨折、腎臓結石、腹部大動脈瘤(りゅう)などが見つかる場合もあります」(米延副院長)

 また、椎間板ヘルニアなら腰が痛いだけではなく、ヘルニアで神経が圧迫されて脚がしびれることもある。腰痛を何度も繰り返すような場合は、腰の関節がすり減っていることが考えられ、整形外科医の診察が必要になる。

 米延副院長は「痛みが消えても、ストレッチ体操で腰の柔軟性を保つよう心掛けてほしい。腹筋と背筋を鍛えて腰への負担を軽減することも大切です」と話している。

2008年11月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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