女性の口臭に生理周期が影響、排卵日には臭気物質増加
2011年12月21日 08:39
口臭を気にする女性は少なくない。男性と違い、女性の口臭には生理周期が影響しており、特に排卵日には臭気物質が増えるという。日本歯科大学生命歯学部(東京都)の八重垣健教授(衛生学)は「予防の基本は、歯のブラッシングや舌の掃除など日ごろのケアです」とアドバイスする。
半年に1回は歯科医へ
八重垣教授は、口臭予防の基本について「歯のブラッシングと、舌苔(ぜったい=食べ物のかすや口の中の死んだ菌が舌に付いたもの)がたまらないように清掃するのはもちろん、半年に1回は歯科医で歯垢(しこう)と歯石を取ってもらうことです」と話す。
歯垢や歯石は歯周病の原因になるが、歯茎が炎症を起こす歯肉炎などが重なると口臭が強くなる。
「自分ではきちんとブラッシングをしているつもりでも、必ず磨きこぼしがあるものです。また、予防には、口臭をつくる酵素を阻害する塩化亜鉛が含まれている洗口剤を、歯科医に処方してもらうと効果的です」(八重垣教授)
ストレスも影響
ところで、口臭の原因物質には硫化水素やメチルメルカプタンがあるが、これらの臭気物質は女性の生理周期との関係が強いという報告がある。
「細胞内には細胞を自殺に導く酵素が入っているリソゾームという袋があるのですが、女性ホルモンにはリソゾームの膜を壊れやすくする働きがあります。このため女性ホルモンが増加する排卵日には、酵素の作用で歯茎の細胞などが死んで臭気物質が増え、口臭に結び付くと考えられています」(八重垣教授)
また、ストレスでも唾液(だえき)の分泌が減少し、細菌が増えて口臭が強くなるので気を付けた方がよいという。
2009年1月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)