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勇気出して検査を受けて―増えるエイズ感染者と発症者

 2012年03月19日 10:58

 国内のエイズウイルス(HIV)感染者と、感染が進行したエイズの発症者数が増加している。「検査による早期発見でエイズの発症を防げる。勇気を出して検査を受けてほしい」と、大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センターの白阪琢磨センター長は強調する。

最新のエイズ(HIV感染)発生報告数と年間推移を見る

背景に性感染症

 先進国でHIV感染者、特にエイズ発症者の増加が続いているのは日本くらいだ。厚生労働省エイズ動向委員会の報告によると、2009年の感染者数は1,008人で、発症者は420人。感染者の数は2000年調査の462人から約2倍に増えている。

 「増加の背景には、性の多様化といろいろな症状を持つSTD(性行為感染症)の存在があります」と白阪センター長。STDの中には症状が表れにくく、感染しても気付かないものがある。例えば、女性では子宮の入り口に潰瘍を作るSTDに感染しているとHIVに感染する率が高まる。

 HIVは精液や血液、腟(ちつ)分泌液に多く含まれ、性交渉の最初からコンドームを使うことが何よりの予防になる。

治療は1日1回服薬

 HIVに感染しているかもしれないと思ったら、積極的に検査を受けたい。検査は全国の保健所やHIV検査・相談機関で匿名・無料で受けられる。検査の内容は血液を約5ミリリットル採取するだけで、即日検査であれば2~3時間後に、通常検査であれば1~2週間後に分かる。検査結果は、いずれも本人が検査を受けた施設を訪ねて聞く。

 検査結果が陽性だと、HIV感染について、治療を受けることで慢性疾患の一つとなることや、エイズを発症しても多くは治って社会復帰ができるなど、病気に関する最新情報の説明がある。治療の拠点となっている病院のリストも示される。治療は、カプセル状の薬を1日1回服用するだけでよい。

 白阪センター長は「HIV感染症は早期に発見できれば、薬を飲んで進行を抑えることができます。自分の体を自分で守るために、また、他の人への感染を防ぐためにも、勇気を持って検査を受けてください」と勧めている。

 全国の検査・相談窓口は、HIV検査相談マップで検索できる。

(編集部)

2010年3月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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