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中高年女性に多い慢性胆のう炎―右脇腹に鈍痛や重い感じ

 2012年05月09日 14:48

 食生活の欧米化に伴い、慢性胆のう炎が増えている。特に40~50歳代の女性に目立ち、見逃すと胆のうがんの発生につながりかねないので早期発見が大切だ。慢性胆のう炎について、東京医科大学消化器内科の糸井隆夫講師に聞いた。

胆石が一因に

 胆のうは、脂肪を分解して吸収を助ける胆汁をためるための臓器。コレステロールの多い食生活の影響で、胆汁の成分が固まってできる胆石を持つ人が増えているが、胆石が一因となって起きるのが慢性胆のう炎だ。

 糸井講師は、この病気の特徴について「胆のうの壁の厚さは通常、1~2ミリほどですが、胆石による慢性的な炎症によって3ミリ以上、厚い人では1センチ以上になってきます。慢性的な炎症なので激しい痛みはなく、右脇腹に鈍痛や重い感じを伴います」と話す。

 自覚症状に乏しいので気付きにくいということで、見逃していると胆石が胆のうの出口に詰まって急性胆のう炎を起こしたり、胆のうがんの発生につながったりする可能性も出てくる。

 「右脇腹の鈍痛や重い感じが続く場合は、念のため最寄りの消化器内科を受診した方がよいでしょう。特に40~50歳代の女性に多いので、注意が必要です」(糸井講師)

家族内での発病に注意

 また、この病気は食生活の影響による部分が大きく、家族の1人が発病した場合は、家族内での発病割合が高くなるので注意した方がよい。

 エコー(超音波)やコンピューター断層撮影(CT)による画像検査で診断が付くが、治療は病状の程度によって異なる。

 「軽い場合は、消炎鎮痛薬(痛み止め)などで様子を見ます。しかし、胆のうの壁が1センチ以上になっているようなときは、胆のうがんとの区別が難しく、胆のうを摘出する手術が必要になる場合もあります。その意味でも、早期に発見した方が負担が軽くて済みます」(糸井講師)

 一方、日常生活における予防・治療の両面の注意事項として糸井講師は、

  1. 暴飲暴食を避ける
  2. 脂肪の多い食事を控えて、和食を取る機会を増やす
  3. ストレスが誘因や悪化要因になるので、趣味を持つなど楽しみを見つけてストレスを軽減する

―とアドバイスしている。

(編集部)

2008年7月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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