蒙古斑は日本人とモンゴル人だけ?
2012年05月29日 12:00
蒙古斑(はん)は日本人とモンゴル人だけにしかないって本当ですか?
マミ(女性 10代)
日本人とモンゴル人以外にも蒙古斑はあります。
人種によって蒙古斑の出現率には差があり、黄色人種はほぼ100%、黒人は80~90%、白人は1~20%といわれています。
蒙古斑は生後1週から1カ月頃までに、お尻や背中の下部に現れる青いあざです。お母さんの胎内にいる時にメラニンを生成するメラノサイトが表皮に出ていけず、真皮にとどまってできると考えられています。10歳くらいまでには自然に消失します。病気ではありません。
蒙古斑は、日本人では誰でも知っていますが、欧米では幼児虐待によってできた青あざと誤解されることもあるとのことです。このような話からも、人種によって出現率に差のあることがお分かりいただけると思います。
中野 里美(なかの さとみ)
1990年、東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学医学部内科学教室に入局。都立広尾病院、国立病院機構栃木病院などを経て、2007年から三菱UFJニコス株式会社診療所勤務。同社において初代統括産業医として、社員の健康管理を行っている。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント。