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糖尿病の女性は性生活の満足度低い―米研究

 2012年07月30日 14:45

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のKelli L. Copeland氏らは、糖尿病にかかっている女性では、糖尿病でない女性に比べて性生活に対する満足度が低いと、米医学誌「Obstetrics and Gynecology」8月号(2012; 120: 331-340)に発表した。特に、インスリン治療を行っている女性で多く、これらの女性では腟(ちつ)潤滑困難(ぬれにくい)やオーガズム(絶頂)に達しにくいなど性的な問題を抱えている割合が糖尿病でない女性の2倍に上ったという。

2,000人を検討

 勃起障害(ED)など男性の性機能障害は、糖尿病合併症の1つとしてすでに確立されている(関連記事)。しかし、女性の糖尿病患者では明らかでないことから、Copeland氏らは40~80歳の女性2,270人を対象に、性欲や性活動の頻度、性的な満足度、性的な問題(腟潤滑・性的な興奮・オーガズムの困難、腟の痛み)など、性生活や性機能に関するアンケート調査を行った。

 2,270人のうち、糖尿病患者は486人(21.4%)で、139人(平均年齢55.9歳、経口糖尿病薬服用中94.2%)がインスリン治療を受けており、347人(同56.0歳、75.2%)はインスリン治療を受けていなかった。なお、糖尿病でない女性の平均年齢は54.7歳だった。

 年齢、人種、初体験からの年数、閉経、子宮・卵巣摘出、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やエストロゲン(女性ホルモン)の服用などを考慮して検討した結果、 性生活に満足していない人の割合は糖尿病でない女性に比べ、インスリン治療を行っていない糖尿病患者で1.42倍、インスリン治療中の糖尿病患者では2.04倍高いことが分かった。

 さらに、インスリン治療中の糖尿病患者では、糖尿病でない女性に比べて腟潤滑(2.37倍)、オーガズム(1.80倍)に関する問題を抱えている割合が高かったという。

 これまでの研究では、性機能障害への影響は糖尿病になったことによる心理的要因が示唆されてきた。しかし今回、抗うつ薬の服用を考慮しても性機能障害の増加が認められたことから、糖尿病と性機能障害の関連は抑うつとは独立したものと、Copeland氏らは結論している。

(編集部)

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